ダム建設現場で無人作業…酒井重工が投入、自動走行ローラーの機能
酒井重工業は自動走行ローラーを開発し、10月に市場投入する。10トンクラスで、衛星電波とプログラミングによって自動走行する。夜間無人施工などに対応するため、通常2、3人を要するローラー運転作業員が不要となるほか、労働災害もなくせる。必要に応じて遠隔操縦や手動運転への切り替えも可能。ダム建設現場などを念頭に大手ゼネコンなどに売り込む考えだ。 新開発の自動走行ローラー「SV514D」は、これまで岐阜県のダム現場など複数の現場で実証を重ねてきた。自動走行は衛星電波を使って目的地まで到着後、事前に設定したプログラムにより、あるエリアはレーンを4往復、それが完了したら隣のレーンを3往復するといったように順番で地固めなどの作業を進める。 安全面では監視カメラの映像などで稼働状況を監視し、事故が起こりそうになったらエラー信号を送信すると同時に緊急ブレーキをかけるなどして作業を停止する。その後に遠隔操作によって作業を再開するといった対応が可能。緊急ブレーキは車体前後の2カ所に設置した。 酒井重工業はJIG―SAW(東京都千代田区)と共同でロードローラー向け自動走行・操縦システムの開発を進めてきたほか、大林組や大成建設、安藤ハザマ、熊谷組、清水建設と自動走行式締め固め機械の共同開発に取り組んできた。 10月の販売先はこれらゼネコンが中心になる。ローラーを短期間使用する場合はレンタル、長期間使用する場合は購入してもらう方向で提案する。購入価格は仕様などによるが通常ローラーの4―5倍になる見通し。人手不足問題解決や、人のエラーで施工ミスをすることがなくなる長所を訴求する。