もう一つの“小さな御柱祭” 長野各地で繰り広げられる「小宮祭」
続いて、いよいよ最後のクライマックス、「建御柱(たておんばしら)」が行われた。あらかじめ掘られた穴に御柱を立てるのだが、この際に若い衆3人がてっぺん付近に乗って気勢を上げ、下で待つ子どもたちにおひねりを落としたりする。根本を杭で固め、若い衆が無事地上に降りて終了。今年は、上社でこの最後の最後に死亡事故があったが、慎重を期した白樺湖の小宮祭はつつがなく幕を閉じた。
10月まで諏訪地方の各地で開催
小宮祭の魅力は、大社の御柱祭に比べて小規模な分、一部始終を間近で見られ、祭りによっては誰でも飛び入り参加できることだ。また、この白樺湖の小宮祭の水上曳行のように、それぞれ独特な魅力があるのも楽しい。 【今後の一般参加可能なおもな小宮祭】 ◎乙事諏訪社(富士見町)……9月22日(木・祝)午前8時~=氏子と同じ曳行体験ができる(参加費6000円) ◎車山神社(茅野市)……9月25日(日)午前8時30分~=標高1925メートルの車山山頂付近で繰り広げられる「天上の御柱祭」。絶景の山岳風景の中、曳行体験ができる(参加費大人3000円・子供2000円) ◎高森諏訪社(富士見町)……10月2日(日)午前8時~=氏子と同じ曳行体験ができる(参加費6000円) ◎上羽場諏方神社(富士見町)……10月10日(月・祝)午前8時~=氏子と同じ曳行体験ができる(参加費6000円) ◎木戸口神社(茅野市)……10月16日(日)午前9時~=紅葉に染まる横谷渓谷を曳行(参加費3500円) ・詳細は「御柱祭」公式HPにて
-------------------------------------- ■内村コースケ(うちむら・こうすけ) 1970年生まれ。子供時代をビルマ(現ミャンマー)、カナダ、イギリスで過ごし、早稲田大学第一文学部卒業後、中日新聞(東京新聞)で記者とカメラマンをそれぞれ経験。フリーに転身後、愛犬と共に東京から八ヶ岳山麓に移住。「書けて撮れる」フォトジャーナリストとして、「犬」「田舎暮らし」「帰国子女」などをテーマに活動中