獲得して良かった!! J1リーグ、今季最高だった新戦力10人。1年目から圧巻だった男たちとは?
MF:トルガイ・アルスラン
生年月日:1990年8月16日 所属クラブ:サンフレッチェ広島 2024リーグ戦成績:14試合8得点0アシスト 今夏にサンフレッチェ広島が行った補強は、確実に戦力強化へ繋がる的確なものだった。中盤のクオリティを数段上のレベルに引き上げたのは、広島に3年ぶりの復帰を果たした川辺駿。そして、2シャドーの一角でよりゴールに直結する働きを見せたのが、メルボルン・シティ(オーストラリア)から完全移籍で加入したトルガイ・アルスランである。 トルコ系ドイツ人のアルスランは、ドルトムントのユース出身。ハンブルガーSVやベシクタシュ、フェネルバフチェといった自身のルーツと密接な繋がりのあるクラブで活躍し、2020年から2023年にかけてはウディネーゼ(イタリア)でもプレーした。 そして、7月22日にはメルボルン・シティから広島へ加入。33歳(当時)にして初のJリーグ挑戦に踏み切った。 広島のミヒャエル・スキッベ監督は、[3-4-2-1]システムの2シャドーにアルスランをはめ込んだ。軽快なパスで攻撃のリズムを作るだけでなく、最前線に飛び出してゴールに絡むこともできるアルスランの特長を最大限生かす狙いがあったものと思われる。 結果として、指揮官の目論見は完璧に当たった。“紫のマジシャン”は観客を魅了するプレーを連発。2シャドーとしてコンビを組んだFW加藤陸次樹や、同じく夏の新加入組であるFWゴンサロ・パシエンシアらと強力なトライアングルを形成し、リーグ戦14試合の出場で8得点をマークした。 おそらく、今夏にアルスランが加入していなければ、リーグ最多の72得点を挙げた広島の攻撃力はもう1段階下の水準で落ち着いていただろう。遅れてやって来たプレーメーカーからは、そう思わせるだけの凄みが漂っていた。 自分が主役となることも、味方を生かすこともできるアルスランは、まさに広島にとっての「ラストピース」だったのかもしれない。