獲得して良かった!! J1リーグ、今季最高だった新戦力10人。1年目から圧巻だった男たちとは?
DF:三國ケネディエブス(みくに・ケネディエブス)
生年月日:2000年6月23日 所属クラブ:名古屋グランパス 2024リーグ戦成績:35試合2得点1アシスト 11月2日に行われた2024JリーグYBCルヴァンカップ決勝でアルビレックス新潟をPK戦(5-4)の末に破り、名古屋グランパスは3年ぶりの同大会優勝を果たした。 そんな雨中の大熱戦となったファイナルにおいて3バックの中央で奮闘したのが、今季開幕前にアビスパ福岡から完全移籍で加入した三國ケネディエブスだった。 120分間で3失点というのはCB(センターバック)として不本意な結果だっただろうが、それでも新潟戦における三國の存在感は際立っていた。身長193cmの長身を生かしたエアバトルの強さは、攻め込まれた場面のみならず攻撃時にも効果を発揮。特に、セットプレーでは常に新潟守備陣の脅威となっていた。 ルヴァンカップで見せた輝きとは打って変わって、明治安田J1リーグでの名古屋は消化不良の戦いを続けた。優勝争いに絡むことができず、最終順位は11位。だが、思うようなシーズンを送れなかったチームの中でも、今季の新戦力である三國が守備ラインに完全にフィットしたのは明るい材料だ。 開幕戦の鹿島アントラーズ戦では全失点に絡んでしまい、チームも0-3で敗戦。三國にとって今季の出だしは悔しいものとなったが、そこからエラーを修正してわずか1年間で飛躍的な成長を遂げたのは流石だ。 もちろん、24歳の大型CBはまだまだ進化の余地を残しており、今後のさらなる活躍が期待される。名古屋は2010シーズン以来リーグ制覇から遠ざかっているが、三國は来季のタイトル獲得の有無を左右する最重要キーマンになるかもしれない。
DF:中谷進之介(なかたに・しんのすけ)
生年月日:1996年3月24日 所属クラブ:ガンバ大阪 2024リーグ戦成績:38試合4得点0アシスト 2024シーズンの明治安田J1リーグでリーグ最少失点に輝いたのはFC町田ゼルビアだが、町田と1失点差の35失点で2位だったのがガンバ大阪だった。 青黒の堅守を統率したのは、今季の新戦力である中谷進之介。28歳になり円熟味を増したCB(センターバック)は、加入初年度にしてG大阪の主力に完全定着した。 J1リーグでも、フィジカルの強さを前面に押し出すCBは珍しくなくなってきた。中谷も対戦相手に競り勝つだけのパワーを備えているが、ただ強い“だけ”のディフェンダーではない。 身長は182cmとむしろCBとしては小さい部類に入り、単純な高さ勝負で相手のアタッカーを封殺する場面はあまり多くない。サッカーIQの高さを生かした読みの鋭さで危険な場所を察知し、先回りして相手の攻撃の芽を摘んでいくクレバーな守備者と言えるだろう。 昨季、G大阪はJ1ワーストタイの61失点を記録した。クラブは壊滅状態だった守備陣の救世主として中谷を獲得したが、その効果はシーズン序盤戦から目に見えて表れ始めた。開幕からのリーグ戦10試合中、複数失点を喫したのは2試合のみ。堅守の中心にいたのは、他でもなく中谷だった。 最終的に、中谷はリーグ戦全試合出場を果たす鉄人ぶりを発揮。4位でフィニッシュし、2025/26シーズンのAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)出場権を決定づけたチームに多大な貢献を果たした。 守備の不安定さが成績低迷(16位)に直結していた昨季のクラブの姿は、もうどこにもない。柏レイソルや名古屋グランパスで十分な実績を残してきた男は、わずか1年間でG大阪を立て直してみせた。