「首つりのあった部屋」に住む男性、謎の音はするけど「気にしない」 “事故物件”はアリかナシか
ここ数年、事故物件の注目度が上がっている。市場価格が最大で5割減と安いため、心理的に抵抗がなければ、「お買い得」といえるからだ。心理的瑕疵物件専門の不動産業者も増えてきた。 【衝撃のビフォーアフター】事故物件のリフォーム前とリフォーム後【実際の写真】 * * * ■安い物件を探したら… 「首つりと聞いています。詳しい場所は聞いていないけれど、やるなら、ここ(ロフト)かな」 こう話す男性(26)は、現在、前の入居者が首つり自殺をした部屋で「快適に」暮らしている。 3年前の春、当時24歳だった男性は、住まい探しに訪れた不動産会社でこう話した。 「なるべく安いところをお願いします」 条件は都内、駅近、バス・トイレ別で、家賃は5万円以下だ。 入居したのは私鉄の最寄り駅から徒歩5分。東京都内の住宅街にある築浅アパート。4.5畳のロフトがついた10畳のワンルームは、最上階の角部屋で日当たりも良好だ。 「内見時、『どこで首つりを?』と聞くと、案内してくれた担当者が言葉を濁し、『察してくれ』という感じでちらりとロフトに目をやったのを覚えています。紐をかけられるし」 相場では家賃9万円相当の部屋だが、なんと半値以下の4万円だった。1回の更新を経て、今年から6万円に値上がりしたものの、3割以上の値引きだ。 平然と語る男性だが、家探しのはじめから事故物件を狙っていたわけではない。たまたま担当者から「抵抗がなければ家賃は安いので、おすすめです」と紹介された。 本当に怖さは感じないのか。 「まったくないですね。住んでみて別に何も問題はないし、むしろ住み心地がいい。次に引っ越すとしたら、また事故物件を狙おうかなと思っています」 事故物件とは、自死や他殺、孤独死など過去に何らかの事件や事故が発生した物件のこと。抵抗を感じる入居者も多いため、業界では「心理的瑕疵物件」という。心理的瑕疵物件の場合、物件概要欄に「告知事項あり」と記される。 ■ 故人宛ての荷物が届く 男性はフリーターで、「目に見えないものは信じていないし、むしろ出てくるなら見てみたい」と余裕だ。 これまでに何回か故人宛てと思しき荷物が届いたことがあるが、「気にしていない」。