滝川二が3年ぶり22回目の優勝、PK戦を制する…高校サッカー兵庫大会
第103回全国高校サッカー選手権大会兵庫県大会(県サッカー協会など主催)の決勝が10日、神戸市須磨区のユニバー記念競技場であり、滝川二がPK戦の末にAIE国際を下し、3年ぶり22回目の優勝を果たした。滝川二は、12月28日から首都圏で開かれる全国大会に出場する。 全国高校サッカー選手権大会兵庫県大会の決勝スコア
序盤に退場者が出て、滝川二のMF三宅蔵ノ助主将(3年)は「正直焦った」と振り返る。それでも、「自分が動揺したら相手の流れになる」と気持ちを奮い立たせた。
味方に前向きな声をかけ、献身的な守備でピンチの芽を摘んだ。試合中に右脚をつりながらも最後までピッチを駆け回った。主将として、選手として、味方を鼓舞し続けた。
互いにスコアレスで突入したPK戦。小森康宏監督から「蹴れるか」と聞かれると、迷わず「蹴ります」と答えた。決めれば勝利が確定する5人目のキッカーとして相手GKと対峙(たいじ)すると、冷静に動きを見極め、落ち着いて枠内に蹴り込んだ。
1年から公式戦に出場。積極的な攻撃参加が求められる右サイドハーフを主戦場としてきた。現チームでは、攻守の要となるボランチに転向。守備力の向上と豊富な運動量を意識して練習に励んだ。数的不利をはね返しての優勝に、「諦めない気持ちが大切だと感じた」と喜びをかみしめた。
次は全国の舞台が待っている。「一戦必勝で戦う。誰よりも走って働きたい」。静かに闘志を燃やしている。(村越洋平)
AIE、初優勝ならず
AIE国際はメンバー全員が「相手守備の背後を狙う」意識を共有していた。11分、FW池内颯海選手(3年)が味方のパスに反応して抜け出すと、ペナルティーエリア付近で相手のファウルを誘った。レッドカードを受けた相手DFの退場で数的優位に立ち、何度も相手ゴールに迫った。
2013年に開校した広域通信制・単位制高校で、サッカー部は昨秋に創部。今大会は堅守で決勝まで勝ち上がった。初優勝はならなかったが、GK釜田統生主将(3年)は「最後まで全員で戦えたので悔いはない」と胸を張った。