単身高齢者の平均所得「12万円」…赤字は「毎月2万円」悲惨な現在地
「下流老人」「老後破産」…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。老後に必要なお金、貯められていますか? 厚生労働省『国民生活基礎調査の概況』(2023年)や総務省『家計調査年報』(2022年)とともに、高齢者世帯の支出について見ていきます。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
高齢者世帯の所得「年間304万9,000円」
厚生労働省『国民生活基礎調査の概況』(2023年)によると、65歳以上の者のいる世帯は2,695万1,000世帯。全世帯の49.5%と約半分を占めており、「超高齢社会ニッポン」を身をもって痛感する数値となっています。 高齢者世帯の所得状況を見てみると、年間平均・304万9,000円。60歳~69歳の1世帯当たりの所得平均は536万6,000円、世帯人員1人当たりの平均は248万4,000円です。70歳以上では、1世帯当たりの所得平均381万円、世帯人員1人当たりの所得平均は193万5,000円となっています。 所得状況の内訳を見ていきましょう。304万9,000円のうち、公的年金・恩給は191万9,000円。全所得の6割以上を占めています。いわゆる働いて得るお金、稼働所得は年間が79万7,000円。そのほか、財産所得が14万円、年金以外の社会保障給付金が2万5,000円、仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得が16万9,000円となっています。 老後も働いてお金を稼いでいる人がいる一方で、「所得が公的年金・恩給だけ」の高齢者世帯は全体で41.7%にも上っています。現在、厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、14万4,982円。 国民年金受給者の老齢年金の平均年金月額は、5万6,428円(新規裁定者は5万3,615円)ですから、月々20万円をもらっていたら、「御の字」といったところです。 上記はあくまで理想のケース。新卒から定年まで勤め上げ、年金をしっかりと払っていれば受け取れる受給額ではありますが、人生100年時代、働いてない期間があったり、生活の事情により年金を納めていなかったり……といった事態は当然起きています。 実際、満足な生活は送れているのか? 高齢者世帯の消費支出状況を月別に見ていきましょう。