老後の「お金の使い方」理想と現実はどう違う?70歳以降の「貯蓄額」平均はいくら?
老後に理想の生活が送れるか不安に思っている方もいるでしょう。老後といわれる年齢までに、どの程度まで貯蓄できるか気になるところです。なかには「老後の収入と支出が気になる」という方もいるかもしれません。 そこでこの記事では、2人以上世帯における70歳以上の平均貯蓄額や負債がどの程度なのか解説します。夫婦2人世帯の老後における月の平均収入や生活費の内訳などもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。老後の人生が気になる方は、早いうちから備えましょう。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
老後の「お金の使い方」の理想は?
公益財団法人生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、夫婦2人で経済的にゆとりのある老後生活を送るために必要と考えられる金額は1ヶ月当たり平均で37万9000円となっています。 また、老後のゆとりのための上乗せ額の使途は「旅行やレジャー」と答えた方が最も多く、60.0%いることが分かりました。そのほかの結果は以下の通りです。 ・旅行やレジャー:60.0% ・日常生活費の充実:48.6% ・趣味や教養:48.3% ・身内とのつきあい:46.2% ・耐久消費財の買い替え:31.7% ・子どもや孫への資金援助:19.4% ・隣人や友人とのつきあい:12.5% ・貯蓄:3.9% ・その他:0.3% 結果を見ると「日常生活費の充実」「趣味や教養」「身内とのつきあい」が50%近く、僅差であることが分かります。
老後の「お金の使い方」の現実は?
ここからは、現実的な「老後のお金の使い方」について見ていきましょう。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における実収入は月平均24万4580円だと分かりました。 公益財団法人生命保険文化センターの調査より、ゆとりある老後の生活費は1ヶ月当たり37万9000円と考えられているため、実際の実収入の平均月額と比べて13万円以上が不足しています。 一方で、総務省統計局の同調査によれば、実収入と、消費支出および非消費支出の合計との差が月3万7916円あることも分かりました。なお、実収入の内訳は89.3%が社会保障給付(年金など)で、消費支出の内訳は以下の通りです。 ・食料:29.1% ・住居:6.7% ・光熱・水道:8.9% ・家具・家事用品:4.2% ・被服および履物:2.1% ・保健医療:6.7% ・交通・通信:12.2% ・教養娯楽:9.8% ・交際費:9.7% ・その他:10.6% このことから、生活費の支出で最も多いのは食費で、被服および履物にはお金がほとんど使われていないことが分かります。