痛くも痒くもない糖尿病の何が怖いのか。医師「透析は1回5時間を週3回と過酷。しかも4割くらいの患者さんは…」
◆ひとたび発症すれば健康体には戻らない しかも、そうした治療を1日おきに週に3回受けねばなりません。かつ、この治療は、一度始めたらやめることはできません。 当然、仕事や家事を今までのようにやるのは不可能だし、旅行にもほとんど行けません。それほど大変な思いをしても、透析に入ると4割くらいの患者さんが5年以内に亡くなってしまいます。 こうした事態につながりかねない糖尿病は、みなさんが想像しているよりもずっとやっかいな病気です。 糖尿病をひとたび発症すると、糖質への感受性コントロールがきかなくなります。少し糖質を摂っただけで血糖値が急激に上がってしまい、もう健康な状態には戻りません。 糖質制限をすれば、そのときの血糖値は正常に保たれますが、それは糖尿病が治ったのではありません。糖尿病は一度罹ったら、ずっとつきあっていかなければなりません。
◆糖尿病には罹らないのが一番 また、前述した3つの合併症だけでなく、糖尿病があるとがんや心筋梗塞、脳卒中、認知症、骨粗鬆症、歯周病などのリスクが上がることがわかっています。 ですから、糖尿病には罹らないのが一番。そのために、自分の血糖値の状態と、そこからくる疲労について無関心でいてはなりません。 血糖値の乱高下が理由の慢性疲労があるのに、その根本原因に気づかずにいたらどうでしょう。「疲れを取るため」と、さらに甘い物を食べたり、エナジードリンクを飲んだりすることでしょう。 その結果、本格的な糖尿病になり、やがてそれをひどくして腎臓をダメにしかねません。 慢性疲労の原因を正しく理解し、対処することが絶対に必要なのです。 ※本稿は、『疲れない体をつくる最高の食事術』(小学館)の一部を再編集したものです。
牧田善二
【関連記事】
- 食後眠くなる。慢性的な疲労感や不調に悩まされる。医師「その根本原因は恐らくあなたが<よかれ>と思って補給しているものに…」
- 人類史上で最も長生きした女性が「1週間に1キロ食べた」好物とは…医師「疲れ知らずの体をつくるのに食事の変革は必須」
- 和田秀樹 年をとれば動脈硬化やがん細胞がない人は存在しない。老人の勝ち組になるには、50歳が分岐点【2023年間BEST10】
- 階段の上りと下り、実は筋トレ効果が高いのは…筋肉先生・谷本道哉「階段を避けてエスカレーターに行列、なんて本当にもったいない!」
- 長寿な人に共通する性格とは?1日60gのタンパク質摂取、今より10分多く体を動かす…食事や運動を意識しつつ、いかに人生を楽しめるかがカギ【2023編集部セレクション】