高齢者世帯の58.3%が「年金だけで生活できない」…【70歳代・二人以上世帯】貯蓄額と年金額はいくら?
年金だけで「100%生活できている」シニア世帯はどのくらい?
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金だけで100%生活できているシニア世帯は「41.7%」であり、年金世帯の約6割が、年金だけで生活できていません。 年金受給額には個人差があり、年金だけで生活している高齢者世帯は少数派です。 このような現状を踏まえると、公的年金を頼りにした老後の生活設計にはリスクが伴うことが分かります。 そのため、現役世代のうちに年金以外の収入源を確保し、早い段階で老後資金を準備することが、安心して老後を迎えるために重要だと言えるでしょう。
まとめにかえて
今回は70歳代の平均貯蓄額や年金受給額など、リアルなマネー事情について確認していきました。 やはり老後生活を年金だけで過ごしている方は全体の半数にも満たないことがわかりました。 つまり、大半の人が「年金だけに頼らない老後の資金づくり」をしていく必要があるということになります。 こうした背景もあるでしょう。ここ数年で急激に資産運用に取り組む人が増えてきました。 また、この流れを後押しするように、今年から新NISAが始まり、多くの人が自分の将来のために投資に取り組み始めています。 投資と聞くとまだまだ抵抗のある人が多いかもしれません。 「リスクが大きい」や「損しそう」などネガティブなイメージがあることも事実です。しかし、どうも悪いイメージだけが先行してしまっているような気がします。 自分のお金を増やすのに「ノーリスク」で増やせるなんてことは考えられるでしょうか。 大切なことは「リスクについて理解し、自分のリスク許容度に合った金融商品を選ぶ」ということです。食わず嫌いで遠ざけるのではなく、まずは積極的に情報を収集してみるのがよいでしょう。 金融商品と一言で言っても、その種類は様々です。 自分の明るい将来のために、まずは「知る」ことから、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」 ・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
荻野 樹