自社買収、24年は高水準 セブン&アイ創業家は巨額提案
自社買収(MBO)による企業の非上場化の発表が、2024年は計18件と高水準になったことが7日、企業の合併・買収(M&A)調査のレコフデータ(東京)の調べで分かった。統計のある01年以降で11年(21件)、21年(19件)に次ぐ過去3番目となる。セブン&アイ・ホールディングスの創業家が同社に対し、9兆円規模の巨額MBOを提案したこともあり、MBOに注目が集まっている。 【写真】イトーヨーカ堂、2次入札にKKRなど3社が通過
24年は金額ベースでも5817億円に達した。01年以降で突出して金額が大きかった23年(1兆4163億円)に次ぐ水準となった。MBOは敵対的買収や物言う株主(アクティビスト)への対抗策として実施する企業も多い。経営の自由度や意思決定スピードを上げる効果もあるとされる。一方、経営陣への監視が弱まり、長期的な企業価値向上につながるのか疑問視する見方がある。 セブン&アイは、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けており、創業家は対抗策としてMBOを提案した。