「え!残高たった3540円ってどういうこと?」夫の年収は900万円。銀行口座に残っていたわずかなお金に妻が絶叫したワケ
通知はガス会社からのものだった。「あ~。また値上げのお知らせかなぁ」と、少し憂鬱な気持ちで目をやると、そこに書かれていたのは、「口座からガス料金の引き落としができませんでした」という文字だった。 「え? どういうこと?」 ひとりごとと思えないくらいの声が出る。 記載されていたガス料金は約1万円。夫は管理用にいくつかの口座を作っているが、いくらなんでも、たった1万円の残高がないということがあるのだろうか? 友子さんの夫は、IT系の企業に勤めており年収は約900万円ほど。夫は、とても亭主関白な質で、全てを把握しておきたいという性格のため、家計の管理は友子さんには任せていない。 友子さんは毎月、月初に食費や雑費を現金で受け取り、光熱費や家賃、子どもの教育費等については、夫の口座から自動引き落としされている。子どもたちの将来のための預金も夫に任せていた。 「口座からガス料金の引き落としができませんでした」の通知。 これまで、このような知らせを受け取ったことは1度も無く、金銭的に余裕がない素振りを見せられたことも無い。 「ただいま~」という声とともに、次男がキッチンを覗きにきたのでとっさに通知を隠した。夫が帰ってきたら確認してみよう……。そう思い、友子さんは夕飯作りを始めた。 夫は毎日帰宅が遅く、この日も22時すぎにやっと帰ってきた。友子さんが「おかえりなさい。今日も疲れたでしょ」と迎えると、やや不機嫌そうな面持ちで「うん」とだけ返答する。 「夕飯は食べる?」 「うーん。今日はいい。風呂入って寝る」 亭主関白なうえにあまり愛想もない夫は、そっけない返答をすることが多い。 友子さんと夫は友人の紹介で知り合い恋愛結婚をしたのだが、結婚当初からあまり夫婦の会話は多いほうではなかった。友子さんは、夫が自分にまったく興味がないのではないか? と常々思っていた。子どもが生まれてから、夜の夫婦生活も年に数回というレベルだ。 「ごめん、ちょっと待って。あのね、今日これが届いたんだけど……」と、ガス会社からの通知を夫に差し出した。書かれていた内容を読んだ夫は、驚いた表情をした。 「あー。引き落としの口座に移すの忘れてたわ」 明日やっとくから、と言って、ろくに目もあわせずに風呂場へ行ってしまう。あきらかに様子がおかしかった。 翌日、友子さんが通帳を確認すると、残高はまさかの3540円。夫から知らされた衝撃の事実、そして危機に陥った家族は? 後編で詳報する。 取材・文/小澤みどり 写真/getty images
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