LANケーブルもハードディスクも「PC周辺機器」だと侮れない…いまのライブラリが「衝撃の高音質」に激変するアイテムを公開しよう
ハム・ノイズ防止の天敵「グランド・ループ」
グランドループとは、オーディオ機器をループ状に配線することで、ハムなどのノイズが発生してしまうことです。使用環境によっては、これらのLANケーブルを選ぶという選択肢もあります。 また、前項で紹介したエディスクリエーションのオーディオ用ハブSilent Switch OCXOはグランド絶縁機能を内蔵しているので、グランドループを原因とするノイズを抑える効果が期待できます。 次は、音楽データの保管庫である「ミュージックサーバー:NAS」について、見てみましょう。CDをリッピングした音源やダウンロードで入手した音楽ファイルは、NASと呼ばれるネットワーク接続方式の記憶装置(ストレージ)に保存しておくことが必要です。しかし、ネットオーディオのシステムを構築する上で、NASは単なる保管庫以上の役割があります。
NAS(ミュージックサーバー)の役割
前回取り上げたスイッチングハブにつなぐ代表的なネットオーディオ機器は、ネットワークプレーヤーですが、もう一つの主役としてNAS(ミュージックサーバー)を忘れるわけにはいきません。手持ちの音楽データを保存し、ネットワークプレーヤーで再生するための装置なので、定額制音楽配信(ストリーミング)だけを楽しむのであれば、不可欠というわけではありません。 とはいえネットワークにNASが1台つながっていれば、CDをリッピング(CDの音楽データをパソコンなどを利用して取り込むこと)した音楽データやダウンロード購入したハイレゾ音源など、再生できる音源の選択肢が増えるので、導入するメリットはあります。 また、保存だけが目的なら同じストレージであるハードディスクドライブ(HDD、SSD)を直接USB接続して音源を保存する方が手軽ですが、NASと異なりネットワーク経由での再生には原則として利用できません。
ストレージ方式と容量
NASはストレージに用いるデバイスによってHDD(磁気ディスク)方式とSSD(半導体ドライブ)方式があり、容量も1~8TB などかなり幅があります。一般的にHDDよりもSSDの方が高価で、容量が増えるほど値段は上がります。ですから実際に使う予定もないのに、巨大な容量のNASを購入する必要はありません。手持ちの音楽データの大体の容量と、今後使い続けるなかでどの程度の容量があれば間に合うのか、目安を設けて機種選びを進めるとよいでしょう。 CDをFLAC形式でリッピングした場合は1枚あたり約400MB(メガバイト)、96 kHz/24bit以上のハイレゾ音源やサンプリング周波数が高いDSD音源はその4~10倍程度のデータ量があるので、手持ちの音源はほとんどハイレゾという場合は、容量不足に陥らないよう注意しましょう。 NASと一口に言っても、ストレージの方式や容量以外に、いろいろな機能の違いがあります。オーディオ用途に購入する場合はファン非内蔵の静音動作が不可欠なので、 事前によく確認しておきましょう。手軽な製品としてUSBでつなぐTV録画用のNASもありますが、できればオーディオ専用設計のオーディオ用NASと呼ばれる製品を選んでください。