なぜ朝倉未来は斎藤裕に敗れ初代RIZINフェザー級王者になれなかったのか…誤算とメイウェザー戦の行方
朝倉の敗戦はMEGA関係者にも衝撃を与えることになった。 この試合で朝倉が勝利し初代RIZINフェザー級王者となっていれば、来週にもメイウェザー対朝倉のカードが正式発表される算段だったのだ。だが、その発表にも“待った”がかかった。 榊原CEOは「MEGA2021」への「全面協力」を明言した上で、「(MEGAの)実行委員会の皆さんがジャッジすることだが、朝倉未来は、今日は負けたが、当然、大晦日でガラッと流れが変わるとも思う。僕の耳に入っている中で言うと朝倉海も『僕、メイウェザーとやれませんかね?』と聞いてきたくらい。やってみたい選手は列になって並んでいる」と語り、視察に訪れていたMEGA製作委員会の代表の徳弘浩平氏をわざわざ会見場に呼び入れた。 今大会にはリングに「MEGA2021」の広告が入っていた。 メイウェザーの参戦会見では、質疑応答を受けつけず対戦相手について「日本人選手」とだけ答えていた徳弘氏は、朝倉兄弟と那須川天心、堀口恭司、斎藤の4人の具体名を初めて出した。 「朝倉未来選手とメイウェザーが(対戦すると)ネット上では言われていますが、私の方では、それが決定というわけではなく、RIZINには他にも堀口選手、那須川天心選手、朝倉海選手、今日チャンピオンになられた斎藤選手とたくさんのいい選手がいるので、一概に朝倉未来選手という風には考えていない。他の格闘技団体にもキック系も含めてオファーを出させていただいている。これがすべてではない」 さらに徳弘氏は、「体重の関係から選手が絞られるが、世界的に考えている。日本人だけには限らない、視野を広く考えています」と語り「対戦相手は日本人選手」という前言を撤回。朝倉の敗戦による混乱ぶりを表すことになった。 朝倉海、堀口恭司はバンタム級でメイウェザーとは体重差が大きく、再戦となる那須川天心は、2月28日にRISEの横浜アリーナ大会を控えている。消去法で朝倉未来しか選択肢がないのが現実で、徳弘氏は「直近に発表する」とも話した。 朝倉自身は、「メイウェザー?俺はまだ聞いていない。そんなことを言っている場合じゃなくて、斎藤選手にやり返したいなというのが一番」と、斎藤とのリマッチを最優先に考えメイウェザーとのビッグマッチについては、何も語らなかったが、日本の格闘技全体にまで衝撃と誤算を与える重い敗戦となった。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)