なぜ朝倉未来は11.21大阪「RIZIN王座決定戦」の対戦相手に自らの癖を暴露し「UFC」挑戦の夢を語ったのか
「それね。まったく関係ない。お金を稼ぐことと強さの証明は別もの。今回ファイトマネーを(これまでの)半額でやっていますからね。2月からの練習で強くなった。その強さの証明をしたい。レスリング力も上がったし、打撃もいろんな格闘家とコラボすることで、これまでと違う境地まで来た。格闘技が好きなんでね」 RIZINの榊原信行CEOも「リーズナブルな契約ができた」と語っていたが、今までの半額のファイトマネーでリングに上がるとは驚きである。金より総合格闘家としての自己追求…朝倉未来の存在理由を証明したいのである。 ファイターとしてさらなる目標がある。朝倉は世界最高峰の総合格闘技団体「UFC」への挑戦を表明した。 「弟がUFCでチャンピオンになれると自分を信じている。アンチとかに(色々批判を)言われるが、俺もUFCの試合を見ていてマックス・ホロウェイと本当に戦いたいと思う。シンプルに。そんなに差があるとは思わない。夢を追うのもありかなと。RIZINとの契約があるので簡単にUFCに行きたいと言って行けるものじゃないが、流れの中で挑戦する機会があれば行きたい」 朝倉が名前を出したマックス・ホロウェイ(28、米国)とは、打撃系の前UFCのフェザー級王者。昨年、アレクサンダー・ヴォルカノフスキー(32、豪州)に敗れ王座から陥落、今年7月の再戦でも判定負けを喫したが、あの元2階級制覇王者、コナー・マクレガー(32、アイルランド)と激闘を演じたことのあるフェザー級世界最強の一人だ。 アンチ朝倉からは、「勝てる相手としかやっていない」、「UFCに出たら勝てない」などと批判を浴びているが、RIZINバンタム級王者の実弟、海(27)も、すでにUFC挑戦を表明。トライフォース赤坂のオーナーが、UFCを意識した9メートルのケージを設置した新ジムのオープンの準備を始めており、UFC挑戦表明は単なる夢物語ではない。 さらに将来のUFC挑戦を意識してファイトスタイルの進化にもトライしている。 「空手の世界チャンピオンの足技や掛け蹴りを練習では使っている。対世界で空手は日本のもの。それを取り入れると日本人らしく強い選手になれる」 YouTubeでは、空手の世界王者ともコラボしたが、その技を身につけようとしている。 ここまで先を見据えているからこそ「こんなところでつまずいていられない」と豪語するのだ。タイトル戦の記者会見であえて「俺の相手じゃない」と、斎藤をディスった真意もそこにある。 「斎藤選手もフェザー級で日本のトップだが、日本の格闘家は、世界で見たらレベルが低い。結果が出せていない。ここで負けちゃ話にならない。世界と戦うならここでレベルの差を見せたい。(俺の相手じゃない発言は)自分に対する願望でもある」 11・21大阪で我々は”最強朝倉”の証人となるのだろうか。