「mixi2」で元に戻れる?SNSが牧歌的だった時代の終焉とAIの脅威
今振り返ると、その時代のTwitterだからこそ、知らない人と気軽に会い、語り合える特別な空気があったのだと思います。現在では、見知らぬ人と直接会うことに対する不安が大きく、同じような活動はとても怖くてできません。だからこそ、あのときのハンバーガー探検やロック飲み会は、SNSがまだ牧歌的で、人と人とを繋ぐ純粋な場所だった時代の象徴のように感じます。 当時と比較すると、Twitter(現在の「X」)の様相は一変しました。現代のSNSは、情報の民主化を推進する一方で、社会の分断、フェイクニュースの拡散といった課題も浮き彫りにしています。これらの問題は、SNSがもたらす利便性と同時に、私たちが直面する新たな挑戦でもあります。 ● 誕生から再編、そして課題 Twitterの変遷とその背景 Twitterの歴史は、ポッドキャストプラットフォーム「Odeo」の失敗から始まります。AppleがiTunesでポッドキャスト機能を導入し、競争力を失ったOdeoは新たな方向性を模索。その結果、2006年、Odeoの共同創業者エヴァン・ウィリアムズ氏とビズ・ストーン氏のリーダーシップの下、エンジニアのジャック・ドーシー氏が加わって、SMSを基盤とした短文投稿サービス「Twitter」が誕生しました。 2006年3月、ドーシー氏による「just setting up my twttr」という最初のツイートが投稿され、Twitterの歴史が幕を開けました。当初は日常のささいな出来事をシンプルに共有する場としてTwitterは使われ、日本では「◯◯ナウ!」という形で現在地や行動を投稿することが流行しました。「銀座ナウ!」「カフェでコーヒー飲んでるナウ!」といった気軽な投稿が、日常的に見られたのです。 Twitterの特徴は、ユーザーが独自に機能を拡張できる文化を持っていたことです。APIを公開することで、サードパーティの開発者が多様なアプリケーションやサービスを構築できる環境を提供し、RT機能など、ユーザーが生み出した使い方が後に公式機能として採用されることもありました。