“買収するだけ”では企業価値は上がらない…経営コンサルが教える〈成果を出すM&A〉の定石【チェックリスト付き】
【ステップ(4)】M&Aの実行
そして、M&A戦略が固まったら実行である。リストを作成して終了ではなく、M&Aは行動に移さなければ意味がない。相手先へのアプローチを繰り返すことで、最初は断られていても道が開ける場合がある。M&Aは長期戦でもある。タイミングよく成約すれば御の字であるが、そう思い通りにはいかない。だからこそ、M&Aの動きを継続し、途中で目的を見失わないように、戦略から実行まで一貫性を持った動きが必要だ。 成長M&Aは、自社のビジョンを高い確率で実現させるための手段となる。現在のM&Aマーケットは譲渡側に有利な“売り手市場”となっており、譲受側は数少ないチャンスをうかがう形となる。しかし、外部の「持ち込み案件待ち」だけでは、自社のビジョン実現の確度は高まらない。しっかりとした中長期のM&A戦略を立て、買収の候補企業をアウトプットすることで、持ち込み案件への適切な検討が可能となる。 M&Aのポイントを整理したチェックリスト(図表)を活用して、自社の現在位置を確認し、今後の準備に必要なアクションを今一度、整理していただきたい。 【著者】丹尾 渉 株式会社タナベコンサルティング執行役員 M&Aコンサルティング事業部長 【監修】株式会社タナベコンサルティング 戦略総合研究所
丹尾 渉