バイデン氏の選挙撤退求める声に陣営は反論、懸念の火消しに奔走
バイデン支持者の2つの真実
こうした反応を総合すると、バイデン支持者について2つの真実が浮かび上がってくる。
支持者はメディアや民主党関係者の発言に深い不信感を抱いており、2020年選挙に向けたバイデン氏の予備選挙キャンペーンがあまり丁重に扱われなかったことに今も怒り続けている。
複数の関係者によると、ニューヨーク・タイムズ編集委員会からのバイデン氏撤退の呼び掛けは、戦意を喪失したスタッフに、むしろ活気を与えたという。同紙が2020年の予備選の際、結果的には選挙にほとんど影響を与えなかったウォーレン上院議員とクロブシャー上院議員で支持を二分していたことを想起したためだ。
一方、バイデン陣営も、バイデン氏本人が選挙戦に残ることを望む限り代替案はほぼなく、手負いの候補者をこれ以上衰えさせないため、スタッフたちは自分たちの信頼と遺産を賭けざるを得ない。
民主党のルールでは、バイデン氏を強制的に撤退させることは実質不可能だ。大統領とその盟友たちは、有力議員との個人的な友好関係を含め、米政界全体に何十年にもわたるつながりを持っている。バイデン氏を公然と糾弾すれば、たとえバイデン氏が挽回できないことが証明されたとしても、仲間の怒りを買い、党から長らく追放されるリスクがある。
ホワイトハウスの高官であり、バイデン氏の政治的メッセージ発信で中心的役割を担う長年の民主党スタッフのアニタ・ダン氏は、MSNBCテレビで、自身とそのチームが「万事心得ている」といわんばかりに傲慢な主張をしてきた結果、バイデン氏のパフォーマンスの失敗につながったとする批評家について問われ、苦笑した。
「それはショックだ」と皮肉を込めて答え、「わたしがバイデン陣営の運営に関わって以来、そうしたことはあり得なかった」と話した。
原題:Biden Loyalists Dismiss Calls to Quit in Frenetic Weekend Blitz(抜粋)