バイデン氏の選挙撤退求める声に陣営は反論、懸念の火消しに奔走
バイデン氏は6月29日夜、資金調達パーティーを終えて専用ヘリコプター「マリーンワン」に乗り込む際、歴史家のジョン・ミーチャム氏に電話していたことが、カメラマンによる携帯電話のズーム撮影でわかった。バイデン氏は、政権が重大な局面にさしかかった時にミーチャム氏に助言を求めてきた。
大口献金者からの懸念
民主党の献金者で元ヘッジファンド・マネジャーのホイットニー・ティルソン氏は、有力議員らへのメールで、バイデン氏に「台本にない設定」で「公平かつ厳しい質問」に対処させ、「中程度-進行した認知機能低下状態」ではないことを示すよう陣営に働きかけるよう促した。
ティルソン氏はインタビューで、「億万長者や大口寄付者を含め、私が出会った人々は皆、バイデン氏は撤退すべきという点で私と完全に一致している。つまり、バイデン陣営と献金者層の間には完全な断絶がある」と述べた。
バイデン氏、ハンプトンズで献金者に支持訴え-精彩欠く討論会後
民主党と共和党の支持率が拮抗(きっこう)しているジョージア州では、最大手の新聞「アトランタ・ジャーナル・コンスティテューション」編集委員会が、ニューヨーカーの編集者デービッド・レムニック氏やニューヨーク・タイムズの編集委員会といったリベラル派の重鎮と同様、バイデン氏に撤退を促した。
米企業家でつくる団体「リーダーシップ・ナウ・プロジェクト」の創設者であるダニエラ・バロウアレス氏は、同グループが1日に電話会議を開き、別の道について話し合うと述べた。バロウアレス氏は「陣営が伝えていることは、討論会の現実に対する人々の見方とかけ離れている」とし、同グループのメンバーの懸念が、今後の厳しい上下院選挙に与えうる影響にも及んでいると述べた。
陣営の動きの中には、こうした不安をある程度認識していることを示したものもある。マンハッタン、ハンプトン、ニュージャージーで討論会後に開かれた資金調達パーティーで、バイデン氏は討論会での出遅れを認め、より努力すると寄付者に誓った。デラウェア州ウィルミントンでは6月28日午後、全スタッフが招集され、安心させるためのミーティングが開かれた。