バイデン氏の選挙撤退求める声に陣営は反論、懸念の火消しに奔走
さらに29日には、民主党全国委員会のハリソン委員長とバイデン陣営のジュリー・チャベス・ロドリゲス選挙対策本部長が、今後を憂慮する全国の委員と急きょ電話会議を開いた。だが、一部の委員は、かえって不安をあおる結果となり、バイデン陣営は選挙戦の変化に対応する気がないか、それができないかだと述べたとAP通信は報じている。
バイデン陣営の関係者らは、パニックは不必要だと主張している。側近によると、同陣営は27日以降、草の根レベルでの2600万ドルを含め、計約3300万ドルの寄付を集めたという。ジェン・オマリーディロン選挙対策委員長は、今回の討論会が選挙戦に対する「米国民の認識を変えるようなものではなかった」と内部データは示していると述べた。
陣営は、バイデン氏が29日のノースカロライナ州での演説で立ち直ったと主張。大統領選討論会の視聴者数が過去の討論会より大幅に少ない5100万人にとどまったことを示すニールセンの視聴率調査にも励まされている。また、大統領が討論会ですでにトランプ氏に出遅れているように見えた事実には触れず、バイデン氏のパフォーマンスが支持率を深刻には低下させていないことを示す即時世論調査を挙げた。
主な民主党関係者、特にオバマ元大統領や、バイデン氏に代わる候補として最近名前が挙がっている州知事や上院議員から撤退を促す公の発言がなかったことも陣営を勇気付けた。
別のメモの中で、ロブ・フラハティ選対副本部長は、バイデン氏への支持が低下したとしても、それはおしゃべり階級(都市部の中流階級)の「反動的」報道が一時的に影響したに過ぎないと主張した。
フラハティ氏の非難は「独りよがりな」ポッドキャスターにも及んだ。これは明らかに、人気番組「ポッド・セーブ・アメリカ」で、ホストの元オバマ政権高官らが討論会後に警戒感を示したことを指している。フラハティ氏はメモに「速報:人々はバイデン氏が年寄りだと思っている。彼らは討論会が始まるときも、討論会を終えてからもそう思っている」と書いた。