DAIKI SUDOがデビューEP「EARTH」をリリース 現実と非現実の境界を漂う音像
DAIKI:インドに来てからは、「ここは地球なのか?」と毎日のように自問自答しています(笑)。ほとんど裸の西洋人の男が腰まであるドレッド髪を靡かせてモーターバイクで滑走していたり、幅20メートルぐらいの巨大なガジュマルの樹のつたが自然と三つ編みになって天から地上に伸びていたり。人も景色も暮らし方もとにかく全てが日本の生活とかけ離れすぎていて、現実なのに自分にとっては非現実に感じるような状況が続いています。
インドの伝統音楽はキーやリズムの概念も遥かに複雑で、理解し難い部分もありますが伝統楽器のタブラという太鼓のリズム感とグルーヴは自分の曲のリズム作りにも少し影響しました。
また、インドは現在ドラムンベース、ジャングル、ゴアトランスといったエネルギッシュなジャンルのパーティーと、エクスタティックダンスという、焚き火を囲んで全員でサンスクリット語の曲を合唱して、ブレンドしたカカオを飲みながらアンビエントな音楽にうねるように踊る内省的で精神性の高いパーティーに二極化していて、どちらも別のベクトルに突き抜けた音の可能性を感じて楽しいです。
インドに来て、以前よりも重さや暗さ、逆にハッピーな時もどこか突き抜けるように、ありのままよりもドラマチックに物事を伝えたいという思いが強くなりました。
「EARTH」のフックで鳴っている音は、今まで聞いたことのない音を作りたいというモチベーションからできたんですが、もともとは耳触りの良い音の中のちょっとした違和感を探していたことがきっかけになりました。音が流れていく中で、引っかかるけど気持ちがいい。ある意味サプライズのような「気持ちのいい違和感」を常に作りたいと思っています。個人的にはエレクトロミュージックのパターンと縛りのないエクスペリメンタルの要素を混ぜてみたり、今回のEPではメインストリームの音楽の構成と規律を保ちつつ好きに流れをまとめています。
WWD:通しで聴くとある種の逃避性が備わっているように感じます。それは自身が求めているから、それとも無意識にそう感じさせるのでしょうか?