DAIKI SUDOがデビューEP「EARTH」をリリース 現実と非現実の境界を漂う音像
WWD:タイトルの“EARTH”にはどんなニュアンスが込められていますか?
DAIKI:高知県の仁淀川で13時間以上かけて無計画にドライブしながらMVの素材撮りをしたんですが、とぐろを巻いた蛇の眼の上を歩く虫だったり、プローブレンズ越しの蝶の目がサッカーボールのように見えたり、全てが非現実に感じたんです。自分が現実ではあり得ないと思っていても、地球には想像を超える世界がまだまだ広がっている。インドに渡ってからさらに強くそう思うようになりましたが、僕たちがこうして誕生して命のバトンをつなぎ、曲を作ったりそれを楽しんだりできているという魔法のような状況も全てこの地球から来ているということに今更ながら感銘を受けて“EARTH”というタイトルにしました。
WWD:思い入れのある曲、難産だった曲はありますか?
DAIKI:最初にリリースしようと仕上げた曲が“SWIM”なんですけど、海を泳いでいるときの気持ちよさや水面の波紋、深く潜っていくにつれて感じる恐怖感を音に変換したいと思ったんです。美しい情景と同居している自然の脅威という異なる2つの感情を表現しようと思ったのですが、理想の音になるまで1年くらいかかりました。どれくらいの音の波長が尖っているのか、どこから温かみを感じるかなど、非常に細かい感覚で調整をしていました。浅瀬から深海までの情景をサインウェーブだけで作りたかったので、最初は滑らかなポコポコした音から始まって、波のように変化していく音のバリエーション。他の曲は比較的スムーズに仕上がったんですが、最初に発表するというプレッシャーもあったのかもしれません。
あてのないアジアへの音楽旅
WWD:現在はインドのゴアにいるんですか?
DAIKI:今はヒマラヤ山脈のパールヴァティ渓谷にいますが、少し前まではゴアにいました。音楽を理由にゴアに来たわけではないので、ローカルの瞑想音楽やゴアトランスを経験して、新しい感覚が生まれつつあります。自分の知っている音楽の世界の外側に、さらに莫大な音楽の世界が存在することに気づいたんです。以前、南アフリカに住んでいた時はドラムパターンがアフロビーツみたいになったり、アマピアノの影響も自分の楽曲に反映されています。これからはトランスミュージックや瞑想音楽のエッセンスが多くなっていくと確信しています。