DAIKI SUDOがデビューEP「EARTH」をリリース 現実と非現実の境界を漂う音像
WWD:ディスコ・リバイバルとか1970~80年代をアップデートしていく風潮の発端のような時代だったと思うのですが、当時の空気感にも影響を受けましたか?
DAIKI:僕はディスコよりも映画音楽からの影響が強かったです。最初は曲単体として聴いた「Warm」も「X-ミッション」っていう大自然の脅威とエクストリームスポーツをテーマにした映画の挿入歌だったんです。作品中で男女が夜の海に潜っていくシーンとの情緒が特に印象的で、その映像と音楽が鮮明に記憶に残っています。それから、フィルムスコアにどんどん惹かれていきました。
音が先行するのではなく、映画のシーンの情景に合うかどうか。曲単体よりも映像の世界観が頭の中でパッケージされた状態で音楽を聴くことが増えていったように思います。ルドウィグ・ゴランソン(Ludwig Goransson)も「メッセージ」のヨハン・ヨハンソン(Johann Johannsson)も好きでしたね。
WWD:情景が浮かんで音につながっていく前提として、世界各地に住んだり、旅をした経験が影響していますか?
DAIKI:それはありますし、SF映画や小説が大好きなので、現実世界に無い情景を拡大して妄想することも多いです。ただ、初めて楽器を習ったのも、自分でアルバムCDを買ったのもニュージーランドに住んでいた12~14歳の頃で、音楽を作る楽しさの感覚は間違いなくそこから来ています。初めて買った音源がアウルシティー(Owl City)のアルバム。当時すでにエレクトロニックミュージックやシンセサイザーのあたたかい感じがすごく好きで、その後、聴くようになったサウンドヒーリングのようなジャンルの2つの音楽が混ざっていきました。表現の幅が無限にあるエレクトロニックミュージックを聴き込むうちに、徐々にジャンルを断定しづらい音楽にのめり込んでいったんです。
現実と非現実の境界のような音楽
WWD:インドに渡ってから曲作りに変化はありましたか?