【更年期の動悸に困ったら】原因は「心」の虚弱。停滞した気の流れを促し動悸を和らげる「五臓ヨガ」
私たちの体調は、様々な原因で浮き沈みを繰り返しています。「なんとなくすっきりしない」不調を自分でケアできると、毎日をもっと快適に過ごせるかもしれません。簡単なセルフケアとしておすすめしたいのが「五臓ヨガ」。東洋医学の知恵を取り入れた不調の緩和につながるポーズを、五臓ヨガ考案者の藤本聡先生がレクチャーします。 ◆写真で詳しいやり方を見る→停滞した気の流れを促し動悸を和らげる「五臓ヨガ」 ■内臓を養生して心身の健康を保つ「五臓ヨガ」 「五臓ヨガは、東洋医学の考え方とヨガを組み合わせたメソッドです。五臓とは肝・心・脾・肺・腎のことで、気・血・津液を生み出し、全身に巡らせる働きを担っています。気・血・津液は人が生きるために不可欠な基本要素で、東洋医学ではこれらが滞りなく巡ることで健康を維持できると考えられています。 気・血・津液を正常に巡らせるには、「量が充分であり」「システムが維持されていること」が重要で、そのためには五臓のバランスを保つ必要があります。五臓ヨガでは、経穴(ツボ)と経絡(五臓をつなぎ全身に広がる気・血・津液の通り道)を養生するヨガポーズを行い、五臓のバランスを整えて不調の軽減をめざします。 治療院などでの受動的なケアに加えて、能動的に動くヨガを行うことで体への関心を高め、セルフケアの一つとして五臓ヨガを取り入れてみてください」(藤本聡先生) 〈気・血・津液とは〉 ・気 生きるために必要なエネルギーのこと。大気(呼吸)から得られる「清気」、食べ物から得られる「水穀の気」、親から受け継ぐ「先天の精」で構成。 ・血 赤い液状で血液と似ていますが機能が異なり、東洋医学では栄養素と捉えています。 ・津液 血以外の正常な水分(胃液、鼻水、涙など)で、きれいでサラサラの「津」と、ネバネバの「液」に分けられます。 ■「心」を養生し、気になる更年期のドキドキを穏やかに 「東洋医学には、『七七にして任脈虚する』という言葉があります。これは49歳(7×7)になると任脈(五臓に通じる要となる経絡)が弱くなることを意味しています。49歳と言えば更年期にあたり、任脈が虚すると特に脾・心・肝の働きが弱くなり、このなかで更年期の動悸を引き起こすのは心の弱化です。心は気を全身に巡らせて精神を安定させる作用があり、気が心に停滞すると不安が高まり症状の一つとして動悸がひどくなります。 心経は鎖骨下から腕の内側を通り、小指へと続く経絡です。年齢による変調に加えて、猫背でパソコンやスマホを使い続けると胸まわりの心経が圧迫されて、気の巡りがさらに悪くなるので姿勢にも注意が必要です。更年期障害の症状は男性にも現れることがあるので、男女問わず動悸が気になるときは心経の循環を良くする五臓ヨガのポーズを行い養生してください」(藤本聡先生) ●更年期の動悸を鎮める「五臓ヨガポーズ」 目的と効果: 心経が通る胸と腕の内側をストレッチして、動悸の原因となる心経の気の巡りを改善する。 〈やり方〉 1.膝立ちになり脚を肩幅に開き、つま先を立てる。腕は体の横に下ろし手のひらを前に向ける。 2.息を吐きながら、背中を丸めて目線をおへそに向ける。このとき腕のつけ根から内旋し、両手の甲を合わせる。 3.息を吸いながら、思い切り体の前面を開き胸、お腹、目線を斜め上に向ける。このとき腕のつけ根から外旋し、両手のひらを外に向ける。3~5回繰り返す。 NG 体の前面を開くときに首だけ上を向いても効果なし。胸とお腹をしっかり斜め上に向けて。 NG 上半身が後方に倒れて反り腰になっている。骨盤の位置は動かさず、胸とお腹を開くイメージで行う。 〈プロフィール〉藤本聡先生 鍼灸師、ヨガインストラクター、シンギングボウル、トレーナー、柔道整復師。大阪・心斎橋「B HAPPY美容鍼灸/TRAINING」で鍼灸・美容鍼灸やパーソナルトレーニングのほか、全国スタジオへの出張、インストラクターやセラピスト向けの講座を開講。五臓ヨガクラスは大阪・豊中の「岩塩ヨガスタジオ 四季」で実施。 「B HAPPY美容鍼灸/TRAINING」Instagram:@sa.to.shi.f @b.happy3104 「岩塩ヨガスタジオ四季」Instagram:@ganenshiki
ヨガジャーナルオンライン編集部