6月「小満」のころに「食べておくといい」意外なものって?「だからいま食べたくなるのか!」【田野岡メソッド・二十四節気のかんたん養生】
こんにちは、再春館製薬所の田野岡亮太です。1年に二十四めぐる「節気」のありさまと養生について、隔週でここ熊本からメッセージをお送りします。 【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】6月編(上)
あらゆる命が満ちていく、過ごしやすい時期が到来
熊本の5月の麦畑は収穫期に入ります。麦は梅雨までの間に収穫します。いま、麦畑は金色の穂を揺らし、収穫のときを待っているんです。こうした、あらゆる命が満ちていくこの時期は「小満」。今年は5月20日にはじまり、6月4日までです。ここから夏至までの間、陽気がだんだんと増して真夏への階段を駆け上がります。 この過ごしやすい季節には万物がすくすくと育ちます。つばめの巣ではふ化したひな鳥が力強く鳴いていますね。自然界での子育てがあちらこちらで目に見えるぐらい過ごしやすい時期なのです。
春のイライラが高じて「5月病」になっていませんか?
5月にもお話したとおり、東洋医学には「五臓六腑」という言葉があります。「五臓」とは肝(かん)・心(しん)・脾(ひ)・肺(はい)・腎(じん)。「六腑」は胆(たん)・小腸(しょうちょう)・胃・大腸・膀胱(ぼうこう)・三焦(さんしょう)です。 「肝」はイライラ担当です。イライラの許容量を超えてしまうと「脾」に影響が出るようになり、消化機能がいじめられてしまうぐらい影響が及ぶ……ともイメージします。「脾」は体のパワーを作り出す場所。これから過酷な夏を乗り越えるためのパワーを作り出す源に影響が常に及んでしまうようでは、身体の各所はパワー不足が顕著になって困ってしまいます。 五臓を統率する身体の君主は「心」です。「脾」でパワーを作り出すことができないとなると、「脾」と母子関係にある「心」が助けを出します。春は「肝」、夏は「心」に特に季節の影響が顕著に見られやすくなります。 春の疲れを残したまま「肝」がイライラの許容量ギリギリで夏を迎えてしまうと、ちょっとした影響が身体のパワーを作り出す「脾」に及びやすくなってしまい、君主の「心」が見かねて「脾」を助ける……そんなイメージの助け合いが起きた結果、夏は「心」に気遣いたい季節とも言えます。 「心」の機能は睡眠とも深いかかわりがあるので、寝つきが悪くなってしまうなどの眠りの不調も夏にかけて見られやすくなります。これも5月病のひとつです。5月病の不調が見られる状態のままだと、夏の環境に立ち向かえなくなってしまいます。 夏は「心」を気遣うことを意識してみましょう。今、ハスの花が満開を迎えています。このハスの実は不眠におすすめの食材です。旬とは季節の必然があるのです。