1年で一番“満足度”の高かった買い物! ソニー「Just ear」【完成編】
ちなみにこの異次元の音質を可能にしているのは、低音域に13.5mmの大口径ダイナミック型ドライバー、中・高音域にバランスド・アーマチュア型ドライバーというハイブリッド音響構造を採用しているおかげ。そもそもこんなに大口径のドライバーを搭載するイヤホンを見たことがありませんでしたが、これは「Just ear」のためだけに開発された専用の耳型採取ヘッドゲージが、予めユーザー一人ひとりの耳に最適なレイアウトのシミュレーションを行い、完成時の耳への収まり方を事前にデザインすることで実現できているのだとか。この技術によって大口径ドライバーの採用も可能となっているそうなんです。
どんなプレーヤーでも最高の音質
「Just ear」が発売された約10年前は有線のイヤホンがまだまだ使われていましたが、今はワイヤレスで音楽を楽しむ時代。最も一般的なプレーヤーであるスマホだってイヤホンジャックのない機種がほとんどで、大多数がBluetooth接続で音楽を聴いています。 私自身もワイヤレスイヤホンを数多く使っていますが、そんな私が「Just ear」と併せてオススメしたいのがソニーのワイヤレスオーディオレシーバー「MUC-M2BT1」です。レシーバー部分に再生・停止・曲送りが可能なのでいちいちスマホを操作する必要はありません。またNFC対応なのでペアリングも超簡単。「Just ear」の良さを、よりスマートに、最大限に味わえる相棒のようなアイテムです。
10週年を迎える「Just ear」の今後
最後に、今回の「Just ear」を担当していただいた松尾さんと菅野さんに今後の展望をお伺いしました。 菅野さん 「Just ear」はただ“型“を作るだけではない、“工芸品“を作る感覚ですね。毎回120%で仕事しています。ほんの1mm・数度でガラッと変わってしまうのでやり直しすることもザラですが、耳型を取ってそこでお終いという流れ作業ではない、「Just ear」以外にはない仕事をより進化させていきたいですね。 松尾さん 約半年後に10周年を迎えますが、「Just ear」は顧客・クリエイターとの接点を大切にし、寄り添い、繋がりながら成長してしてきました。ソニー全体で見てもこのような事業モデルはなかなかありません。今後は「Just ear」での“縦”の経験を活かし、ソニーグループとして“横”にも繋げていきたいですね。また、ユーザーのファンコミュニテイーをより強化したり、SNSなどでユーザーが発信しやすい領域を作っていきたいと思っています。この10周年を機に、ユーザーのリアルミーティングの場の再開や「ソニー・太陽」への来社ツアーなどもできたら面白いですよね。
最終調整が完了した「Just ear」はゴールドのプレートが入れ替えられ、音質マイスター直々にコメントを添えたカードと一緒に手渡されます。イヤホンとして決して安い買い物ではありませんが、このとてつもない制作へのこだわりを考えればその価格も納得です。私にとって今年一番満足度の高い買い物だったことは間違いありません。 すべてのものに最上級のこだわりを持つLEON読者に、自信を持ってオススメできるテーラーメイドイヤホンですので、気になる方はぜひお問い合わせしてみてください。
企画・写真/中西 学 文/TOMOKO 編集/平井敦貴(Web LEON)