トロ・ロッソ・ホンダは来年トップ3争いに参戦できるのか?
シンガポールGP初日の9月15日、ホンダはマクラーレンとのパートナーシップを早期に解消。2018年からはトロ・ロッソへパワーユニットを供給すると発表した。 マクラーレンはフェラーリに次ぐF1界で長い歴史を持つイギリスに構えるチームだ。グループ全体の総従業員数は3300名以上で、そのうちF1に関わる従業員数は約950人と言われているF1界屈指のビッグチームだ。 これに対し、トロ・ロッソは前身がイタリアのミナルディで、2006年にレッドブルに買収され、イタリア語で「赤い牛」を意味するトロ・ロッソとして参戦している。従業員数は約380名と言われており、F1界ではザウバーに次いで小規模なチームである。 ビッグチームのマクラーレンから、小規模チームのトロ・ロッソへパートナーを変えて臨む2018年。ホンダのブランド・コミュニケーション本部長の森山克英執行役員は、新生トロ・ロッソ・ホンダに対する抱負を次のように語った。 「トロ・ロッソとの新しいパートナーシップは、ホンダF1にとって新たな歴史の1ページを開くことになるでしょう。トップ3、上位に加われるところに到達することがわれわれの早期の目標です。確かに現在は苦しい状況ですが、この苦境にを乗り越えることが、ホンダのチャレンジングスピリット。いまから来年の開幕が楽しみです」 だが、トロ・ロッソはチーム創設以来、コンストラクターズ選手権で2006年の6位が最高というチーム。トップ3ドライバーが上がる表彰台にも、その2006年にセバスチャン・ベッテルが優勝したときに一度上がっただけ。そのため、この「トップ3」発言は、パドックでも大きな話題となり、翌日、長谷川祐介総責任者が「トロ・ロッソと共に3年間でトップ3に次ぐ集団の中で先頭を走れるよう最善を尽くしたい」と、慌てて目標に修正したほどだった。 現在のF1はフェラーリ、メルセデス、レッドブルの3チームが予算が豊富で、マシンの開発においてライバルチームを大きくリードしている。ホンダとの提携を解消して、来年からルノーPUを搭載することになったマクラーレンも、「来年は4番目のチームを目指したい」(エリック・ブーリエ/レーシングディレクター)と語っているように、長谷川総責任者の下方修正した目標が現実的だろう。