バナナに含まれる「レジスタントスターチ」=食物繊維? 食生活に取り入れないともったいない理由【管理栄養士解説】
バナナに食物繊維と同じような機能をもつ栄養素が含まれることを知っていますか? これは「レジスタントスターチ」とも呼ばれ、未成熟なバナナや冷えたご飯などに含まれていて、難消化性でんぷんとして機能します。具体的な健康効果や、ほかに含まれる食材、日々の食事への取り入れ方について、管理栄養士の藤井さんに詳しく解説してもらいました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
バナナに含まれるレジスタントスターチとは?
編集部: そもそも「レジスタントスターチ」とはどんなものでしょうか? 藤井さん: 「レジスタントスターチ」は、人間の消化酵素の作用を受けにくい糖質で「難消化性でんぷん」とも言い、食物繊維と同じ機能を持つ炭水化物です。レジスタントスターチの具体的な機能として、小腸で消化されずに大腸に到達して、腸内の善玉菌のエサになります。代表的な食材として、緑色のバナナのほかに穀物、豆類などがあります。 編集部: 黄色よりも緑色のバナナに「レジスタントスターチ」が含まれているのですね。 藤井さん: はい。バナナの中でも「グリーンバナナ」と呼ばれる、完全には熟していない緑がかったバナナにレジスタントスターチが豊富に含まれています。皮が黄色く熟したバナナにも含まれていますが、少し未熟なバナナを選ぶことでより多くの「レジスタントスターチ」を摂取することができます。 編集部: レジスタントスターチを効率よく摂るのにおすすめなバナナの食べ方は何ですか? 藤井さん: 焼きバナナやバナナケーキのように加熱をすると、レジスタントスターチが減少してしまいます。ですので、そのまま食べる、スムージーのように生の状態で食べるのがおすすめです。
レジスタントスターチにはどんな効果が期待できる?
編集部: レジスタントスターチの健康効果について詳しく教えてください。 藤井さん: レジスタントスターチは食物繊維と同じように、消化吸収されにくい性質を持っています。そのため、通常の糖質の消化吸収過程と違い、小腸で吸収されずに大腸まで到達します。そうすると、大腸に存在する腸内細菌のエサとなり、腸内環境を健やかに保つ手助けをしてくれます。 編集部: ほかにはどんな効果が期待できますか? 藤井さん: レジスタントスターチは糖質でありながら消化吸収されにくいという点で、血糖値の急激な上昇の抑制を助ける可能性もあります。つまり、ダイエットや糖尿病予防にも役立つと考えられます。 編集部: レジスタントスターチは1日にどのくらい摂ればよいですか? 藤井さん: レジスタントスターチの摂取に関しては、1日に摂るべき明確な量が科学的に設定されているわけではありません。また、摂りすぎると消化不良やお腹の張りなどの不快な症状を引き起こす可能性があります。基本的にはバランスを意識して、さまざまな食品から栄養素を摂るようにしつつ、一日一本朝食などにバナナを食べる、というふうに取り入れてみましょう。