【40代、50代・薬と上手に付き合う方法②】処方薬は家族であっても共用しないで! 薬の正しい扱い方Q&A
薬はどのように保管している? 適当にポンとそのあたりに置いていない? 薬はとてもデリケート。中には薬の保管方法次第で雑菌が繁殖してしまうことも…! そこで、正しい保管方法の疑問について、薬剤師の鈴木素邦(そほう)さんに伺った。
Q1:市販薬の瓶に入ったビニールはそのまま入れておいたほうがいい?
A:輸送時の緩衝材なので捨ててください。 「市販薬の瓶に入っているビニール。これは輸送中に錠剤が破損するのを防ぐために入っています。必ずしも薬が瓶にパンパンに入っているわけではなく、瓶との間に隙間ができてしまいます。その空間を埋めるための緩衝材なので、開封したら捨ててください」(鈴木さん) でも、あったほうが空気が遮断されて、酸化を防げるような気がするのだが…。 「逆です。一度開けてしまうと、外の湿度がビニールに残ったり、出し入れするときに雑菌が入ることがあり、ビニールが酸化を助長してしまう可能性があります。衛生面を考えてもビニールは捨てたほうがいいです。一方、乾燥剤は入れたままにしてください」
Q2:薬の保管は常温で問題ありませんか?
A:特殊なもの以外は室温保存でOKです。 薬は室温で保管しているが、それで問題ない? 冷蔵庫に入れたほうがいいの? 【薬保管の温度目安】 冷所:1~15℃ 常温: 15~25℃ 室温: 1~30℃ 微温: 30~40℃ 「中には冷蔵庫で保存する指示があったり、逆に冷蔵庫で保存してはいけない薬もあります。そうした指示がない場合は大部分は室温でかまいません。ただし、直射日光に当たらない場所でお願いします。 冷蔵庫での保存が指示される薬は、例えば、体温で溶けるように設計されていて熱に弱い坐薬。ほかに目薬の一部などです。 目薬の基本は室温保存1~30 ℃なので、夏の暑い時季などは冷蔵庫に保存してもいいでしょう。そのとき注意が必要なのは凍結させないことです。一度凍ってしまうと、成分が変性してしまうので、使わないでください。 また、インスリン製剤などでは、使用開始前は冷蔵庫 (2~8℃) で遮光して保管し、使用を開始したあとは室温 (30℃以下) で保管します。インスリン製剤でも注意が必要なのが凍結です。薬液が変性したり注射器が故障する原因になるので、一度でも凍結したものは使用しないでください」 このように、適切な保管環境は薬によって違うので、よく注意書きを読んだり、薬剤師に確認をしよう!