更年期女性の85%「疲労を感じる」...。"閉経後" の自分とうまく付き合うための、40代からとるべき4つのアクション
初経から閉経まで、女性の体の変化には女性ホルモンが大きく影響する。特にエストロゲンの作用は、骨、血管、脳、筋肉など全身の臓器や組織の機能に影響を及ぼし、糖や脂質代謝にまで関係することがわかってきた。そのほか、皮膚の潤いを保つなど見た目の美しさにも作用する。 【写真】こんな不調、更年期障害? 覚えておけば怖くない!数字で辿る「更年期」の基礎知識10 「エストロゲンは、妊娠可能な体を維持するために女性の体を病気から遠ざける作用を持ちます。閉経後はその働きがなくなるわけですから、全身に負の作用が出てくるのは当然です」と説明するのは、小山嵩夫クリニックで20年以上健康相談を行ってきた看護師長で、シニアメノポーズカウンセラーでもある江藤亜矢子さん。日本人の平均閉経年齢は約50歳だから、現代女性の多くは40 年近く、エストロゲンなしの人生を送ることになる。 「更年期は、自分の体と向き合いセルフマネジメントの計画を立てる最後のチャンス。準備をした人としなかった人では10年後、20年後の健康状態が大きく変わります」 閉経後に備えるヘルスケアは、短期・長期と分けて考えるのがいい。まず、卵巣機能の低下によりエストロゲンが激減する更年期(一般に45~55歳)には、短期的に見るとホットフラッシュ、不眠、抑うつ気分などの不定愁訴が引き起こされる。 「更年期女性の85%は疲労を感じているというデータがあるほど。重い症状がなかったとしても不調が出やすい時期と自覚して、放っておかないことが大切です」。更年期障害の治療法には、HRT(ホルモン補充療法)、漢方、向精神薬、カウンセリング、サプリメントなどがある。 一方長期で見ると、皮膚の乾燥や関節痛、腟の萎縮による性交痛、尿もれなどが現れてくるほか、内臓脂肪の増加、動脈硬化や骨粗しょう症などのリスクも上昇する。こうした変化に対処するため、江藤さんは40代からとるべき4つのアクションを挙げる。
1. 更年期やHRTに関する情報に日頃から触れておく
「最近は『できるだけいい状態で仕事をしたいのでHRTを受けたい』と、早めにクリニックを訪れる女性が増えています。今は情報が入手しやすく、賢い人ほど生きやすい。正しい情報を得るために、まずは厚生労働省などの公的機関や日本産科婦人科学会など、医学関係のウェブサイトから情報収集してください」