「カフェすら座れない」「ディズニーも40代以上の利用者が急増」…。東京で静かに進む、お金のない若者の排除の実態と、都市に生まれている“驚きの光景”
その意味でも、全国的に渋谷で見られるような「若者の静かな排除」はひっそりと進行しているかもしれないのだ。 (なお、2025年3月期の上半期の決算では、売上高が期初予想の2579億円に対し、実績が2387億円と、192億円ほど下振れ、入園者数も期初予想を下回った。オリエンタルランド側は理由に「リベンジ消費の落ち着きなどによる旅行需要の減少による減」「猛暑による減」などをあげているが、ネット上では「高くなって、庶民には行きづらくなったからでは?」という指摘も出ている状況だ)
■「静かな排除」は治安向上に役立つが… 話を戻そう。とはいえ、渋谷でひっそりと進行する「若者の静かな排除」は、仕方ない部分もある。若者がたむろすれば必然的に治安は悪くなるし、街が高級化することはその街のイメージアップにもつながるからだ。 一時的な措置ではあるが、渋谷のハチ公広場周辺では、ハロウィンでの若者のたむろを警戒して、その期間の立ち入りが封鎖されている。SNS上では評価する声が多いし、地元住民からすれば、街の治安向上につながるから必要な取り組みだ。
一方、そのようにして広場を囲んで閉鎖することは「座れない場所」をさらに作ることにもつながる。この場合は一時的なもので、特段批判するのもおかしな話だが、こうした締め出しは他の街でも行われている。 その顕著な例が、トー横広場だろう。ここには、ニュースなどを連日騒がせていた「トー横キッズ」たちが座り込み、さまざまな犯罪の温床にもなっていた。そのため、東京都はこの区域を閉鎖。現在では、歌舞伎町の真ん中に大きな空白ができている。
トー横キッズの問題が、さまざまな問題を生み出していたことは否定しようのない事実で、この街の治安をことさら悪くしていたこともある。メディアでの報道も相まって、こうした閉鎖に賛成する人も多い。 ■長期的な視点に立った街のプランニングが求められている 問題は、このように閉鎖したところで、彼らの存在がすぐに消えるわけではないことだ。そもそもトー横キッズたちは何らかの事情で家出をした子どもも多く、貧困や家庭内暴力などさまざまな事情からトー横に流れてきている。それらの問題の根本的な解決がないまま、彼らを物理的に締め出しても、その存在は消えるわけではない。