【新課程共通テストの基礎知識】長文化する英語、1分で150単語…スピード命
3. 新科目『情報Ⅰ』の対策は?
25年度の共通テストから、新しい科目として『情報Ⅰ』が加わります。「情報」というとプログラミング教育を連想するかもしれませんが、それだけではありません。これからの世の中はますますICTやAIが普及していくと考えられ、安心・安全に暮らしていくには、情報化社会の知識やルールを身につけておく必要があります。そこで高校では22年度から「情報Ⅰ」が必修科目となり、情報化社会を生きていくために欠かせない知識やルールを幅広く学習しています。そして、その成果を問うのが共通テストの新科目『情報Ⅰ』です。 大学入試センターが公表している『情報Ⅰ』の試作問題を見ると、そのことがよくわかります。問題は大問1~4で構成され、問題数は40問程度です。SNSや鉄道の路線図といった身近な問題解決を題材に、インターネット情報の信ぴょう性を確かめる方法や、二次元コードの知識、プログラミングの知識、さまざまなデータをコンピューターで活用する方法などが出題されています(試験時間60分、配点は100点)。 高校の授業をしっかりと受け、問題解決を目的とした学びをしていけば十分に答えられる内容ですが、教科書をパラパラと読んだだけで太刀打ちできるようなものでもありません。試作問題を早めに見て「どういうものか」を知ったうえで、簡単なところからステップ・バイ・ステップで勉強していくことを専門家はすすめています。
4. 『英語』はスピードが命
保護者世代が受けた大学入試センター試験の時代には、発音・アクセントを問う問題や語句を並べ替える問題がありましたが、現行の共通テストでは、すべてが複数の資料から情報や話し手の意図を読み取るタイプの読解問題です。配点構成は「リーディング100点(80分)」「リスニング100点(60分)」の200点満点で、リスニングの重要性も上がっています。 25年度からはどう変わるのでしょうか。大学入試センターが公表している試作問題を見る限り、配点や出題形式などに変化は見られません。一方で、会話文から立場の異なる5人の主張を整理し、自分の考えを正しい構成でエッセイにまとめる問題だったり、リスニングの題材が学生同士のディスカッションだったりと、ライティングとスピーキングの統合をより意識した出題になっています。また、A問だけでも単語数が1300語を超えているのも特徴です。共通テストでは年々、総単語数が増し、ここ2年は6000語を超えていることから、25年度も同様になることが予想されます。 80分の試験時間内に6000語を超える問題を読み解くには、1分あたり120語から150語のスピードで読む力を身につけておく必要があります。それには単語力をつけることは大前提として、英文を正しく読む精読力をつけたり、語順通りに意味をとらえる訓練をしたりすることがポイントだと専門家はアドバイスします。