集客に成功している女性起業家ほど、“SNSに頼らない”これだけの理由
今や、広報の第一選択肢となっているSNSによる集客。しかし、起業初期に手を出すと、思うように効果を得られないばかりか、無駄な努力を続けることで、疲弊してしまうことにもなりかねません。起業初期の女性起業家がSNS以上に高い効果を得られる集客方法について、企業育成コンサルタントの吉田淑恵さんに聞きました。 【表】ビジネスシーンで必要とされる敬語 ※本稿は、吉田淑恵著『さよならSNS集客』(秀和システム)より一部抜粋・編集したものです。
起業初期にSNS集客しても徒労に終わる
女性が起業をすると、多くの人が真っ先にSNSでの集客を考えます。 InstagramやLINE公式アカウントの使い方を学ぶセミナーに参加することが一般的ですが、じつはこれがいちばんの落とし穴なのです。 起業のはじめにまず取り組むべきは、SNS集客ではありません。 SNS集客が効果的でない理由は、事業の軸が整っていないからです。事業の軸が整わないと、発信の内容がブレてしまい、どれだけがんばっても効果は出ません。 まずは自分の事業について、次のことを明確にする必要があります。 これらが明確になっていない状態でSNS発信をしても、反応が得られないばかりでつかれ果てて、起業自体をやめてしまおうと考える人さえいます。 有料広告を使ったとしても、選ばれる理由がなければお金をムダにするだけ。とくにSNSのアルゴリズムは頻繁に変わるため、起業初期の段階で労力をかけるのは非効率です。 SNSはモノを売る場ではなく、認知を広げる場です。SNSでつながった後には、見込み客が購入ステップへ進む仕組みが必要なのです。
ターゲットを絞るほど顧客対象者は増えていく
自分の商品について発信するとき、ターゲットを広げたほうが多くのお客様を獲得できるのではないか、と考えることがあるかもしれません。 多くの女性起業家が、ターゲットをしぼることに対して不安を感じています。ターゲットをしぼると、対象となる人が少なくなるのではないかと心配するのです。 しかし、それは間違いです。 むしろターゲットをしぼることで、実際にはより多くのお客様を引きつけることができます。 たとえば「◯◯のための」とターゲットを明確にすることで、専門性が生まれて、その商品やサービスが特定の困りごとを解決するものであると感じてもらえます。「これは自分のための商品だ」と感じてもらうことで、興味を持ってもらいやすくなります。 ターゲットをしぼる際には、以下の二つの方向からアプローチします。 【アプローチ①属性やカテゴリー】 年齢、地域、職業、役割などの属性やカテゴリーを考えます。 たとえば「子育て中のお母さん」といった広いカテゴリーではなく、「3歳以下の子どもを持つお母さん」といった具体的な属性を設定します。 【アプローチ②心理状態や困りごと】 ターゲットの心理状態や、具体的な困りごとに焦点を当てます。 たとえば「子どもの抱っこで腰が痛いたいお母さん」といった具体的な問題に焦点を当てることで、ターゲットにとっての商品の必要性が明確になります。 そして、ターゲットをしぼる際には、実在の人物をモデルにすると効果的です。 理想的な顧客像を架空で描くのではなく、実際に存在する人をモデルにすることで、より具体的なターゲット像を描くことができます。