物流施設の結露発生予測…大和ハウスが開発、新システムの仕組み
大和ハウス工業は物流施設での床面の結露発生リスクを予測するシステムを開発した。前日の正午の段階で予測でき、利用者にメールやアラーム表示器などで通知した上で、換気扇を自動停止して結露の発生を抑制する。同社の物流施設「DPL」の新設案件向けに順次導入する予定だ。荷物の水濡れなどの事故が起きにくいことをテナント利用者に訴求し、物流施設事業の高付加価値化を狙う。 新システムは施設内に床温度センサーを、施設外に外気温湿度センサーを設置し、制御装置と接続して構成する。センサーで収集した情報を基に床温度の予測式を毎日作成。そこに気象予報の数値を代入し、翌日の予測床温度を割り出す。その予測床温度が気象予報から分かる翌日の外気露点温度を下回る場合、結露発生リスクが高いと判定する。 既存の予測システムでも、床温度の変化に着目してリスクを予測するタイプのものはある。ただ、翌日の予測床温度を高精度に割り出すのが難しいため、リスクは直前にならないと予測できないのが一般的だという。 大和ハウスは床温度の予測式を毎日作成し直す仕組みによって、床温度の予測精度を高め、前日の正午ごろにリスクを予測できるようにした。通知を受けた利用者は、前日の内に余裕を持って換気扇の停止や荷物の養生などの対策が取ることができる。 大和ハウスは新システムを2022年に開発。実証を踏まえた上で、24年6月にDPL小田原(神奈川県小田原市)で初めて本格導入した。