【40代・50代のビタミンD活】更年期には骨の強化にも重要なビタミンD、食事からどうやってとればいい?
ビタミンDは骨の形成を助ける重要な栄養素。かつ、特殊な栄養素でもある。ほかのビタミンと違い、おもに紫外線を浴びてつくられ、足りない分を食品からまかなうようにできている。紫外線をがっちりガードしがちな日本人女性、食事からビタミンDを補給するには何をどう食べたらいいのだろう? 監修の医師、斎藤糧三さんに伺った。
食品からとれるビタミンDはどれくらい?
「前回、さまざまな病気にならないためのビタミンD必要量についてお伝えしました。どれくらい日光に当たればどの程度ビタミンDがつくられるのか、わかっていただけたかと思います。 それと同時に、ほかのビタミン同様に食事でとれたらいいのに…と感じた人も少なくないでしょう。今日はこれについて。食べ物からとれるビタミンDのお話です」 そう教えてくれるのは、この連載の監修である斎藤先生。 おさらいだが、日本よりビタミンDの研究がさかんなアメリカ内分泌学会の臨床実践ガイドラインによれば、骨粗しょう症や骨軟化症にならないための必要量は、 <1日に 37.5µg~50µg(1500IU~2000 IU)> 斎藤先生が、自身のクリニックの症例などから、花粉症などアレルギー症状を軽減するために必要な量を推測すると、さまざまな病気予防のための推奨量は、 <1日に 100µg (4000IU)> 「ビタミンDは、基本的に日光に当たることによって皮膚でつくられますが、食べ物からもとることはできます。 皮膚でつくられるものと食べ物からとるもの、ふたつは体内で区別されず、同じ効果を発揮すると考えられています。 それはラッキー! と思うのは早く…。食べ物にはごく一部のものにしかビタミンDは含まれていないんです。 しかもその量はびっくりするほどごくわずか。毎食、気をつけて食べないと、充足させることは至難の業です」
日本人のビタミンDの摂取基準、「目安量」のカラクリ
ここで、厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準(2020年版)」でのビタミンDの摂取量を見てみよう。 食事での1日のビタミンD摂取量の指標は、 <目安量8.5 μg /日(340IU) 耐容上限量100µg/日(4000IU)> 必要量でも推奨量でもなく「目安量」となっているところに注目して。 「厚生労働省の解説文では、ビタミンDは日光浴でつくられるという特殊性から、紫外線の強弱には地域差があるうえ、季節によっても違うので、日本人の平均的なビタミンD必要量を一概には決めにくい。 だから、推奨量ではなく“目安量”を示したとあります。 そして、日光を浴びる機会が少ない人は、目安量以上に食べる量を増やすべきだと。 本来はその人が日常どれくらい日光を浴びているか否かに応じて、摂取の目安量も調整されるべきでしょう。難しいところですね。 どちらにしろ、紫外線をガードしている日本人がこれだけ多いことを踏まえてか、来年春に発表される予定の2025年版食事摂取基準では、さらにビタミンD摂取量が引き上げられるようです」