「被災地を元気づける対局に」 棋聖戦会場の旅館女将、能登地震に見舞われた新潟市で願う
■緊急事態に備え待機
対局当日の17日は、プロの棋士が将棋盤を模したパネルを使って戦況を解説する「大盤解説会」を午後2時から対局終了まで行う。参加申し込みを5月上旬に受け付けたところ、100人の定員に対し全国から約250人の応募があった。
解説会では、対局者の次の一手を当てるゲームも行われる予定だ。当てると、藤井棋聖や山崎八段の貴重な直筆サイン色紙などがもらえる。
対局は、高島屋の特別室「常磐(ときわ)」で行われる。対局前日の16日には棋聖戦五番勝負用の将棋盤などが運び込まれ、藤井棋聖と山崎八段が、将棋盤、駒、室内の照明と空調の加減などを検分し、本番を迎える。
対局中、高島さんは対局室の外にある一畳ほどの座敷で約8時間、座って待機する。「薬が急に必要になるなど、対局室の中にいる記録係では対処できない緊急事態に備え、昔ながらに待機している」そうだ。
市も対局を盛り上げようと、対局者に提供するおやつのコンテストを実施。選定された6品をメニューに載せ、藤井棋聖と山崎八段に選んで食べてもらう。特別な思いで迎える被災地での棋聖戦五番勝負。高島さんは「お二人が戦いやすいように万全を期したい」と力を込めた。(本田賢一)