スーパーフォーミュラ/スーパーGT復帰オファーを認めたフェネストラズ。WEC/IMSAワークスからもお誘いが……でも鍵は“F1”?
2023-2024シーズンで日産フォーミュラEチームから離脱することが決まったサッシャ・フェネストラズ。日本のレース界から復帰のオファーを受けているという報道もあったが、彼はmotorsport.comに対して改めてその事実を認め、耐久レースを含めた複数の選択肢を検討していると語った。 【動画】フェネストラズを見出した”マッチ”こと近藤真彦JRP会長、スーパーフォーミュラSF23を初ドライブ! デモランに向け練習練習 2022年まで日本のスーパーGT、スーパーフォーミュラで活躍したフェネストラズは、その後フォーミュラEに戦いの場を移した。しかし日産での2年目となった2023-2024シーズンは、チームメイトのオリバー・ローランドがタイトル争いに絡む一方で苦戦し、ランキング17位。ただフェネストラズは翌年も残留する見込みと思われていたが、日産が急転直下でノーマン・ナトーをローランドのチームメイトに起用することを決定したため、シートを失うことになった。 自身の離脱の噂を初めて知ったのはSNSだったというフェネストラズ。チームとの関係が悪かったわけでもなく、今回の一件も「チームのせいではない」としたが、ショックを受けたことを率直に認めた。 motorsport.comが「今回の決定を下したチームに対して不満はあるか」と尋ねると、フェネストラズはこう語った。 「正直言って、気分の良いものではなかった」 「これは何度も言っていることだけど、僕はシーズンが終わってすぐ、7月末か8月の初めあたりに残留を知らされた。その後SNSで、僕が残留しないという噂を初めて目にしたんだ。チームとの関係も悪くなくて、逆にとてもポジティブな関係だったから、ああいう動きをされたことにはとても傷ついた」 「チームのせいでないことは分かっているし、チームのボスも土壇場で状況が変わったということで謝罪してくれたし、『こんなことはキャリアで初めてだ。こういう形になってしまって申し訳ない。でも状況が変わってしまい違うドライバーを起用することになってので、何か別の策を見つけてほしい』と言っていた」 「でも開幕から2ヵ月前に探すなんて無理だ。ほとんどのチームが契約を済ませているからね。実は他のチームからもオファーがあったけど、当然日産が続投を伝えてくれていたから断ったんだ。そうしたら最終的には何も残らない結果になった」 フォーミュラEへの残留は難しくなったフェネストラズだが、様々なカテゴリーでオファーを受けている。日本のスーパーGT、スーパーフォーミュラへの復帰オファーがあることも既に報じられているが、これについて彼はこう語った。 「ああ、ありがたいことにオファーをもらっている」 「日本に戻る可能性があることは事実だ。日産かトヨタか、そのどちらかと言うべきだろうね」 「そして今はWEC(世界耐久選手権)とIMSAでメーカーのLMDhマシンを走らせるというダブルプログラムの話ももらっている。だから3つから4つの選択肢があるという感じだね」 このように、日本のレースだけでなく、ワークスチームから耐久レース最高峰の舞台で戦う可能性もあるフェネストラズ。ただ実は、フェネストラズはチーム名こそ明かしていないがF1チームでシミュレータドライバーを務めており、F1でのチャンスを広げるという観点で言えば、日本でのレースに専念することがプラスになるかもしれないと述べた。 「今は自分がどうしたいかを腰を据えて考えて決める時だ。というのも、僕は今もF1チームで働いていて、そのチームの状況次第では来年テストをさせてもらえる可能性もある。だからそういう意味では、日本でスーパーフォーミュラとスーパーGTに専念していれば、何ががあった時にチャンスをモノにしやすいという点でポジティブかもしれない」 なおフェネストラズ曰く、来季に向けた決断は彼のマネージャーと協議の末近々に行なうとのことで、「11月か12月に発表があるのは間違いないだろうけど、僕の方で決断するのはもうすぐだ」としている。
Federico Faturos