「僕はオオタニが大好き」「台湾が日本に勝ってビックリなの」プレミア12優勝その後…現地でファン・記者に直撃「こんな盛り上がりは過去ない」
「TAIWANパーカー」がヒット商品になったワケ
駒田さんによると、今回はそれだけでなく、台湾国民の意識の変化も見られたと言う。 「今回の選手たちはすごく『台湾』を強調したんですね。本来、国際大会では、中国の手前もあって『チャイニーズタイペイ』で統一しなければならないんですけど。台湾のファンが感謝していたのは東京ドームなどで、台湾の国旗=中華民国旗を振っても、あまり何も言われなかったことです。 あとは選手たちが記者会見で、『僕は台湾から来た選手です』とか言っていたのも印象的でした。今、すごく台湾で話題になってるのが、胸に『TAIWAN』と縫われた黒い選手用のパーカーで、ヒット商品になっているんです。スポーツの話ではあるんですが、両岸関係(中国と台湾の関係)が変化する中、若い世代を中心に、代表チームの名は『TEAM TAIWAN』という意識が高まっている。そのタイミングでの優勝でしたから、なおさら印象深かったのではないでしょうか」 スポーツと政治は分けて考えたいと思うが、国際大会ともなれば「世界情勢」は大きく影響してくるのだ。とはいえ沖縄のジャパンウィンターリーグでは、中国のU23の代表チームと、台湾中信兄弟から派遣された選手が試合をしている。彼らの関係は決してとげとげしくはない。 国際社会のパワーゲームはこのところますます激しくなっている。そんな中でも、スポーツだけは「平和な環境」でずっと行われることを願ってやまない。
(「酒の肴に野球の記録」広尾晃 = 文)