【コラム】ゴリアットJC勝利で約9・6億円! 来年も現役、世界中の高額賞金総ナメの野望続く
欧州で最も権威のある英国タイムフォーム誌の最新レーティングは、G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSの覇者ゴリアットに傑出馬を意味する128をつけて、G1・6勝のオーギュストロダン125や、独ダービー馬のファンタスティックムーン120を上回る評価を与えています。 【写真】左後肢を高く上げるゴリアットの独特な歩き方 デビューは3歳を迎えた昨年5月と遅いものでしたが、その年を4戦3勝で終えると今年5戦目に迎えた“キングジョージ”は単勝26・0倍の7番人気ながら、直線で抜け出たレベルスロマンスをかわして残り200メートルを独走。のちの凱旋門賞馬ブルーストッキングに2馬身1/4差という決定的な差をつけて優勝、オーギュストロダンを5着に退けて、上半期の王者となりました。 昨年から米国の競馬サークルに本格参入し、あっという間に一大勢力となったJ・スチュワート氏(レゾリュートレーシング)に、その75%の権利が売却されたのはこの直後のことでした。 去勢馬で凱旋門賞に出走資格のなかったゴリアットは、勝てば優勝賞金の5億円プラス“キングジョージ”優勝馬に贈られる300万ドル(約4億6500万円)のボーナスが上積みされるジャパンCに狙いを定めて秋の出走プランを熟考。米国のブリーダーズCには目もくれず、相手が軽かった先月20日のG2コンセイユドパリ賞(芝2200メートル、パリロンシャン)の優勝をステップに日本の土を踏みました。 ここまでに挙げた6勝のうち5勝は2400メートル戦(2390メートル含む)。欧州の軟らかな馬場は得意ではなく“キングジョージ”を見るように速いタイムの決着を歓迎しています。 オーギュストロダンとファンタスティックムーンは、これを最後に引退の予定ですが、スチュワート氏はゴリアットの現役続行を明らかにしていてJCを皮切りに世界に点在する高額賞金競走を総ナメにする野望を抱いています。 【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)