クシュタール、7&iHDへの買収提案額引き上げを協議-関係者
(ブルームバーグ): カナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタールは、セブン&アイ・ホールディングス(HD)に対する買収提案額の引き上げについて協議している。内情を知る複数の関係者が明らかにした。
情報の部外秘を理由に匿名で語った関係者によると、クシュタールは協議に応じるよう7&iHDを説得するため、買収額をどの程度引き上げられるかについて検討している。関係者によると、7&iHDを交渉に応じさせるには、当初提示した1株当たり14.86ドルの買収額を大幅に上回る必要があるという。
7&iHDは今月、クシュタールによる390億ドル(約5兆5000億円)の買収提案について、同社の価値を「著しく過小評価」していると回答。一方でクシュタールの買収提案継続の意向を受けて、7&iHDは同社の価値を十分に認識し、規制上の懸念を払しょくする提案であれば、引き続き真摯(しんし)な協議に応じる用意があるとしていた。
報道を受けて、7&iHD株は続伸し、一時前日比7.3%高の2275円を付け、8月19日以来の日中上昇率となった。
クシュタールの担当者は、協調的な話し合いを通じて7&iHD株主の価値を高める方向へと導くことができると確信しているとの従来の声明文に言及したが、それ以上のコメントは控えた。
だが、クシュタールは苦戦を強いられている。関係者によると、買収額を巡る双方の隔たりはおそらく極めて大きく、買収が成立する可能性は著しく低下している。
クシュタールは依然として次のステップを模索している段階で、7&iHDへの新たな買収案の提示を決定するかは定かではない、と関係者は述べた。
--取材協力:リード スティーブンソン、Crystal Tse、吉田昂、鈴木英樹.
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Dinesh Nair, Manuel Baigorri, Mathieu Dion