問わず語りで聞くフィリピンのシングルマザーの半生
(2024.3.13~5.1 50日間 総費用23万8000円〈航空券含む〉) ボラカイ島のメインストリートのレストラン街。看板の漢字とハングルに圧倒される。ちなみに2023年のフィリピンの外国人観光客は韓国144万人、米国90万人、日本30万人、中国24万人。断トツに韓国人観光客が多い。中国は出国規制が影響している
セブ国際空港の眠れない夜
2024年3月14日午前2時半。成田発の格安航空便は午前零時過ぎにランディング。到着ロビーから外に出ると超熱帯夜。夜明かしのため出迎えの人たちが腰かけているコンクリのガードレールに坐った。 隣に2人の女子、その向こうにヤンチャ系男子の二十歳くらいの3人組。3人は放浪ジジイの隣に座っている少女の韓国人ボーイ・フレンドが到着するのを待っていた。 韓国男子は頻繁にセブ島に遊びに来て毎度お土産を持参するようだ。ヤンチャ男子はドライバー役だ。 午前3時前に到着ロビーから出てきた乗客を見つけると隣の少女が駆け寄った。なんと少女のボーイ・フレンドは頭部が薄くなった50歳くらいのくたびれた中年オジサン。会社帰りのさえない黒っぽい背広上下。猛烈な韓国ビジネス社会で酷使されている安サラリーマンがセブ島でつかの間の休日を過ごす。なにか悲哀を感じさせる韓国オジサンの後ろ姿だった。
長距離バスの隣席の女性
韓国オジサンの後姿を見送っていたら2年前の出来事がフラッシュバック。2022年7月、午前9時マニラの繁華街からルソン島南東端の町レガスピ行きのバスに乗った。レガスピ到着は夜8時という長丁場。 放浪ジジイは窓側の席で隣席は中年女性。化粧っ気のない疲れた顔、普段着のフツウのオバサンなので気にも留めなかった。何かの拍子に言葉を交わして、放浪ジジイが日本人と知るとマリソルと名乗り問わず語りで話し出した。 マリソルはレガスピの出身。二女は17歳でレガスピの高校に通っている。ファーストフードの店でアルバイト中に転んで足を骨折。大手企業なのですぐに労災認定して費用会社負担で即日入院した。 マリソルは現在マニラ市内でベビーシッター兼ハウスキーパーとして住み込みで働いている。二女から連絡を受けて今朝一番のバスに乗った。それで化粧もせずに普段着のまま飛び出して来たようだ。