扶養内「103万円」でパートしているけれど、父の死後「600万円」の遺産が! 扶養を抜けることになる?「相続と扶養の関係」について解説
財産を相続した場合、扶養状況に影響はあるのでしょうか。突然大きな金額が手元に入ってくると不安に感じてしまう人もいるかもしれません。また、何種類もある年収の壁について把握していない人もいるでしょう。本記事では相続と扶養状況への影響や、その他年収の壁の注意点について解説します。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
大きな財産を相続しても扶養を抜けることにはならない
結論として、多額の現金を相続しても、年収の壁の計算には含まれないため、扶養を抜けることにはなりません。なぜなら相続財産は給与所得の対象でもなく、扶養認定の際の収入としてカウントされないからです。 なお、生前贈与についても同様です。例えば暦年贈与の非課税枠である「年間110万円」を受け取ったとしても年収の壁の計算には含まれないため、扶養を抜けることにはなりません。 そのため相続や贈与を受けたとしても、今まで通りパートを続けてよいといえます。相続財産はありがたく受け取りつつも、ワークスタイルを維持することで、将来に向けた資産形成に取り組むとよいでしょう。
税金の関わる年収の壁
ここからは税金に関係のある年収の壁についてみていきましょう。税金に関しては以下の4つの壁があります。 (1)100万円の壁:年収が100万円を超えると住民税が課税されます (2)103万円の壁:年収が103万円を超えると所得税が課税されます。配偶者控除(38万円)が適用できなくなり、代わりに配偶者特別控除が適用されるようになります (3)150万円の壁:年収が150万円を超えると配偶者特別控除が満額(38万円)適用できなくなり、以降はパートタイム労働の収入によって徐々に減額されていきます (4)201万円の壁:配偶者特別控除の対象ではなくなります
社会保険の関わる年収の壁
続いて、社会保険に関係のある年収の壁について紹介します。社会保険に関しては以下の2つの壁があります。 (1)106万円の壁:勤め先によって社会保険加入の対象になるとともに、健康保険・厚生年金保険の保険料の支払いが発生します。具体的には「従業員51人以上の会社に勤めている」人は対象となる可能性が高いです。 (2)130万円の壁:国民年金・国民健康保険の保険料の支払いが発生します。