【まとめ】ヤバくて怖いサイコパス映画12本
少女への虐待、その結末は……?『リグレッション』
『アザーズ』などの名匠アレハンドロ・アメナーバルが、アメリカで起きた社会的騒動に着想を得て物語を創造。1990年、ミネソタ州の田舎町で少女アンジェラ(エマ・ワトソン)が父親からの虐待を告発し、刑事のケナー(イーサン・ホーク)が事件を捜査することに。だが、身に覚えがない父親が罪を認めるなど、事件は奇妙な方向へと進んでいく。そんな中、ケナーはアンジェラの証言から、事件の中に悪魔崇拝の儀式との関連を見出しはじめ……。 【ここからネタバレ】 オカルトなムードが充満する作品だが、気の毒なアンジェラこそが事件を操っていた張本人だと判明! 家族を憎みながら成長したアンジェラのねじれた復讐心が、一連の騒動を生み出している。そして、ここがまさに“社会的騒動に着想を得た”部分。悪魔崇拝の儀式が次々と告発され、人々がパニックと疑惑の渦に陥った80~90年代の集団ヒステリー騒動を、アメナーバル監督はサイコパスなアンジェラの企みに託している。
哀愁を誘うサイコパス!『フォーリング・ダウン』
名匠ジョエル・シュマッカーが手掛け、マイケル・ダグラスが“キレた主人公”を演じるスリラー。真面目なサラリーマンだったウィリアム(ダグラス)は猛暑のある日、工事による大渋滞が続くハイウェイでクルマを乗り捨てる。極度の苛立ちを抱える彼はその後、行く先々で狂ったように事件を巻き起こしていき……。 【ここからネタバレ】 妻に離婚され、愛する娘とも会わせてもらえず、勤めてきた会社もクビになってしまったウィリアム。いけ好かない店主のいる雑貨店で暴れたり、不良をバットで殴ったり、無意味な工事の続く道路をバズーカで爆破したり……。時間が経てば経つほどサイコ味を増し、手がつけられなくなるウィリアムだが、理不尽な社会に対する怒りと暴力が彼の行動に込められているのもまた事実。“共感を呼び、哀愁を誘うサイコ”ともいえる。
異色の明るいサイコパス映画!『ハッピーボイス・キラー』
『ペルセポリス』などで知られるイラン出身の女性監督マルジャン・サトラピが、ライアン・レイノルズとタッグを組んだブラックコメディ。バスタブ工場に勤めるジェリー(レイノルズ)は、ペットの犬や猫の声が聴こえる風変わりな青年。ひょんな偶然が重なって気になる同僚女性と急接近したジェリーだが、残念ながら彼女を殺してしまう事態に……。 【ここからネタバレ】 過去にトラウマを抱えるジェリーは精神科医の下で絶賛治療中だが、処方薬を飲むのをやめたせいで徐々にサイコ化。好きな相手をサクサクと刺したり、その死体をバラバラにしてタッパーに詰めたり、生首部分は冷蔵庫で綺麗に保管したり。しかも、悪気はないのに死体の山は増えていく始末で、どんどん狂気な展開へと陥っていく。だが、とにかくキュートで楽しい語り口のため、明るいサイコパス映画として楽しめる。