バンクーバー市はビットコインを支持しているが、BC州はマイニング禁止を維持
カナダ・ブリティッシュコロンビア州のバンクーバー市は議会で「ビットコインフレンドリーな都市」になることを検討する動議を可決したが、ブリティッシュコロンビア州では2025年12月までビットコイン(BTC)のマイニングが州全体で禁止されている。 同州のビットコインマイニング禁止は、エネルギー問題への対応として2022年12月に始まり、林業会社コニフェックス・ティンバー(Conifex Timber)社から法的異議申し立てを受けたが、州最高裁判所は2024年初頭、政策の妥当性と公益事業規制との整合性を理由にこれを支持した。 同州最大の電力会社BCハイドロ(BC Hydro)は、電力の90%以上を水力発電に依存している。 バンクーバー市のケン・シム(Ken Sim)市長が議会に提出した動議案は、ビットコインの経済的利益に焦点を当て、ビットコインマイニングの利点にも言及しているが、電気に関する規制やBCハイドロの業務は州の管轄下にあるため、マイニングに影響を与えることはできない。 「州は依然として暗号資産(仮想通貨)のマイニングを禁止しており、恒久的なマイニング政策に向けて作業を継続している」とBCハイドロの広報担当者は述べた。 今年初め、同州議会は、BCハイドロが州の送電網へのビットコインマイナーの接続を一時的に停止した後、最初に草案が作成されていたエネルギー法改正法(the Energy Statutes Amendment Act)の改訂版を可決した。 この改正法では、BC公益事業委員会(BC Utilities Commission)という州の電力規制当局を迂回して、暗号資産に特化した電力サービスを直接規制する権限を州政府に与えることを明確に規定している。 この州でビットコインマイニング事業所を運営し、送電網への接続を予定していたコニフェックス・ティンバーは、これらの条件は「不当に差別的であり、理不尽である」と裁判で主張したが、最終的に州の裁判官はそれに同意しなかった。 「暗号資産マイニングプロジェクトに関する電力規制に向けた動きから生じる疑問のひとつは、州が他の産業に対しても同様の方法で電力の利用を規制し始める可能性があるかどうかだ」と、カナダの法律事務所McCarthy Tetraultの弁護士は2024年5月のブログ投稿で書いている。 同法の改正をめぐる議論の中で、McCarthy Tetraultの弁護士は、州の緑の党のリーダーが議会で、液化天然ガス(LNG)やAI(人工知能)などの新技術は、エネルギー消費量が高く経済的利益が限定的であるという同党の見解に基づき、ビットコインマイニングと同様のエネルギー規制を受けるべきだと主張したことを指摘した。 地方自治体によるビットコインマイニングの禁止には、ニューヨーク州の例がある。同州では、再生可能エネルギーを例外として、マイニングを一時停止している。しかし、アーカンソー州やモンタナ州などの州では、ビットコインマイニング事業者を「差別」から保護する法案が提出されている。 ペンシルベニア州では、採掘禁止を撤回し、他の省エネ法案を推進している。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:British Columbia Maintains Bitcoin Mining Ban Despite Vancouver's 'BTC-Friendly City' Motion
CoinDesk Japan 編集部