「臭わない袋BOS」…子育て中に外出先でおむつ処理に困った思い出、開発担当者「これができたら画期的なものに」と直感
子育て中の母親らの評価の声
12年秋に完成したものの、付き合いのある量販店はない。ネット通販サイトで販売しつつ、全国の営業所員に数万個を配ってもらい、口コミで認知度を高めていった。 インターネット上で、子育て中の母親らの評価の声が広がると、ホームセンターをはじめ取り扱う店舗数が増え、約3年で1万店に達した。安原は「それまでなかった『臭いを袋に閉じ込める』という概念を作った」と胸を張る。
防災の分野でも注目
消費者の声に応えながら、商品ラインアップを充実させている。なかでも14年に発売した「BOS非常用トイレセット」は、防災の分野でも注目を集めている。 開発のきっかけは、東日本大震災の被災者から届いた一通の手紙だった。「こんな袋があったら避難所で役立ったのに」と記され、被災者の間で 嘔吐おうと や下痢が相次ぎ、悪臭が漂う中で生活を強いられたことがつづられていた。 災害が相次ぐ中、備蓄用として購入する自治体や企業も増えているが、多くはない。非常用トイレを担当する平山景子は「災害時も臭いに備える必要がある。その認識を日本中に広めていきたい」と意気込む。(敬称略)
「女性の働きやすさ」で受賞
1960年創業。食品を中心に、医療品や工業製品などを包装する高機能フィルムを製造している。パート従業員への社会保険料の補助など、女性が働きやすい仕組みを整えており、2022年に関西財界セミナー賞の「輝く女性賞」に選ばれた。23年9月期の売上高は124億円、従業員数は280人。本社は大阪市東淀川区。