寒い季節にリスク高まる『隠れ糖尿病』“こたつでみかん“動かないで糖質多量にとると危ない 40代男性はリスクあっても約半数が治療しない問題も
■糖尿病で手足を切断した元プロ野球選手も
症状の一つに手足の切断がありますが、元プロ野球選手の佐野慈紀さん(56)が、切断に至ったことを明かしている。 2008年頃、糖尿病と診断 15年後、2023年4月に右足に感染症が出て、右足の中指を切断 2023年12月にも右手の右指2本を切断 ことし2024年5月に感染症がさらに進行し、右腕を切断 以上のような経緯をたどったということだ。 佐野慈紀さんのことし9月のブログより:重症となるまでのターニングポイントは、未だ分かりません。ある日突然襲ってくるのです。糖尿病の恐ろしさは罹患すると色んな弊害が起こります。免疫力や抵抗力も落ちていきます、小さな傷から大きな代償を抱えることになります。
■なぜ手足の切断をしなければならないのか
(Q:治療していても進行を抑えることはできないのか?) 澤木秀明医師:糖尿病が2008年に診断されたということで、その後、定期的に医療機関にかかられていて、その都度、できる対応をされてたかどうかというところが鍵になってくるかと思います。 (Q:感染症から指や腕を切断するということに至るのはなぜ?) 澤木秀明医師:感染症を糖尿病の方が起こしやすかったり、小さな傷だと痛みを感じて対処しようと思うんですけれども、神経障害が進むとそれが気づかなかったりとか、血流障害のために治りが悪いとか、3つの要素が相まってこのような事例になる方もおられます。 (Q:なぜ切断までしなければいけないのか?) 澤木秀明医師:切断することで感染が体の中心に来ることを防ぐという意味合いもあり、命を助けるために足を諦めてもらうという、つらい決断をされる患者さんもおられます。 (Q:糖尿病は血液検査で分かる?) 澤木秀明医師:HbA1cと血糖値は血液検査で分かります。あとは、症状と合わせて、どの程度合併症が進んでるのかというのは、医療機関の対話の中で早期発見・早期治療に心がけているかと思います。
■糖尿病のリスクがある40代男性の半数が治療をしていない
5人に1人が糖尿病のリスクを抱えているにもかかわらず、40代男性の場合、およそ半分は治療していないということだ。 (Q:糖尿病が強く疑われている40代男性の約半数が治療に行かないという。背景は?) 澤木秀明医師:とても大切なポイントだと考えております。40代の男性は職場においても家庭においてもすごく活躍されてる世代で、自分のことよりもそれ以外のところに意識が集中している世代でもあるかと思います。健康診断で指摘されても、症状がないために後回しにされやすいという点もあるかなと思います。 (Q:自覚症状がないから、治療という行動に結びつかないのか?) 澤木秀明医師:そうなんです。自覚症状がないので、次のステップとして向き合って、定期的にチェックをしようか、治療に踏み込もうというのが後回しになってしまうところが、国としても問題と考えておられるということになります。 (Q:治療で症状を改善、悪化させないことはできるのか?) 澤木秀明医師:受診さえしていただければ、その時点でのベストまたはベターな提案はすることができます。