富士山女子駅伝30日号砲、関西勢も上位目指してチーム一丸
富士の麓で大学女子駅伝日本一を争う「富士山女子駅伝(全日本大学女子選抜駅伝)」(産経新聞社など後援)は30日午前10時に号砲が鳴る。静岡県富士宮市の富士山本宮浅間大社前から同県富士市の富士総合運動公園陸上競技場までの7区間43・4キロで争われ、24チームがたすきをつなぐ。関西からも大阪学院大、大阪芸術大、初出場の兵庫大などがチームの目標に向かって富士を駆ける。 【写真】健闘を誓い合う大阪芸術大の選手たち ■大阪学院大 悲願成就の思い込めて 大阪学院大は10月の全日本大学女子駅伝は6位で不完全燃焼に終わった。全日本を最後に主将から退いた小林舞妃留(まひる)=4年=は最後のレースに向け「チームは世代交代したけど、やっぱり3位以内をもう1度見据えてやっていく」と力を込める。 全日本では立命大が名城大の8連覇を阻んだ。チームは9月の関西学生対校女子駅伝でその立命大を抑えて優勝を飾っていた。小林は「同じ関西としてすごいという思いと、差が開いてしまったという感情があった」。富士山は悔しさをぶつける最後の舞台だ。 エース永長(えいなが)里緒(4年)は昨年の世界ユニバーシティー夏季大会ハーフマラソンで8位入賞するなど、大学で大きく成長。「4年間は思うように走れなかった試合の方が多かったけど、全部がいい経験。(陸上人生は)まだ先もある中で、富士山も強くなる過程として走りたい」。未来も見据えながらレースに挑む。 12年連続出場の大会へ、弘(ひろ)潤一監督は「年々強くなっていると思う。他大学の影響もあるし、支えてくれる人たちのおかげ。最後は子供たちに頑張ってほしい」。悲願成就の思いを込め、選手を送り出す。(大石豊佳) ■大阪芸術大 0秒09差の悔しさ胸に 2024年の大阪芸術大は挫折経験をしっかりと心に刻み込んでいた。8年連続で出場していた10月の全日本は、5000メートル上位6人の合計タイムで3校が出場権を得る追加枠での切符を0秒09差で逃した。エース格の青栁朋花(3年)は「芸大は落ちたなといわれているのは、悔しかった。まだまだ強いというところを見せたい」と力を込める。 主将として引っ張るのが菅﨑南花(なみか)=3年。昨年の全日本で意識がもうろうとしながらも走り切った経験が分岐点となっている。大学には「美談ではない」との声も寄せられた中、菅﨑が中瀬洋一監督に訴えたのは「強くなりたい」という気持ち。レース前の準備や心構えなど自分が伝えるべきこともある。「走る姿勢で引っ張っていきたい」と気概を見せた。