齋藤元彦氏が兵庫県知事に返り咲き…主流派メディアが「デマ」や「憶測」の具体的検証を避けたことへの「大いなる違和感」
事実確認がおろそかな県民局長の告発
ところがこの不自然さを選挙戦中に指摘する主流派メディアは存在しただろうか。少なくとも私は確認できなかった。 今回の兵庫県知事選挙で最も問題なのは、斎藤元彦氏を擁護する議論は根拠のないデマや憶測に基づくものであるかのように扱いながら、それについての具体的な検証をメディアが一切行わなかったことにある。 亡くなった県民局長のいわゆる告発文が、伝聞と憶測によって作られたものでしかなく、真実性についての慎重な検証がなされたものではないことは、一読すれば明らかだ。 一例として、この告発内容の1つ目について取り上げてみよう。 告発文によると、ひょうご震災記念21世紀研究機構の五百旗頭真理事長が3月6日に亡くなったのは、斎藤知事の命を受けた片山安孝副知事が、同機構の副理事長ふたりの退任を通知したことにショックを受けたのが原因だというものだった。 またこの通告は、「五百旗頭理事長と井戸前知事に対する嫌がらせ以外の何ものでもなく、何の配慮もなく行った五百旗頭理事長への仕打ちがその命を縮めたことは明白だ」としていた。 ところが、文書問題調査特別委員会において、この県民局長は、五百旗頭理事長と井戸前知事に対する嫌がらせ以外の何ものでもないとされたことへの根拠として、井戸前知事の叙勲祝賀会から斎藤知事が公務を理由に途中退席したことを理由として上げ、この公務が途中退席のための理由付けにすぎないと聞いたと話している。 その公務が途中退席のための理由付けにすぎないと判断しうる根拠は具体的には何も示されておらず、しかも「聞いた」とされていることから、単なる伝聞だとしか言えないのは明らかだ。これでもってふたりの退任を通知したことが嫌がらせ以外の何ものでもないと記すことに正当性があるとは、到底言えないだろう。 また、県民局長は、五百旗頭理事長への仕打ちがその命を縮めたことは明白だと記したことは憶測だと、この場で語っている。憶測に留まるならば、明白とは言えないのは明らかだ。 なお、告発文には、この知らせを聞いた翌日に五百旗頭理事長は亡くなったと書かれていたが、実際には伝えてから6日後であった。 この件については日にちについては聞き間違いがあったとの釈明が県民局長からなされているが、これは県民局長が事実確認を極めておろそかにしていたことを明確に示している。
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