JR東海支援のテキサス新幹線、親日アムトラック副社長が明かした「名称案」 車両は「日本メーカーが製造」、単独インタビューで明言 連載『鉄道なにコレ!?』(第65回)
JR東海や全米鉄道旅客公社(アムトラック)などが支援するアメリカ南部テキサス州の新幹線計画を巡り、担当するアムトラックのアンディ・バイフォード上席副社長が単独インタビューで「2030年代前半に開業する可能性はある」との見通しを示した。総事業費は300億ドル(1ドル=160円で4兆8千億円)を超えると試算しており、資金調達が依然大きなハードルだと認めながらも「実現できると確信している」と強調。「日本が大好きだ」と公言する親日のバイフォード氏は東海道・山陽新幹線と西九州新幹線で運行しているN700Sをベースにした車両を導入して「日本メーカーが製造する」と明言した。検討している路線の名称案も明らかにした。(共同通信=大塚圭一郎) 【写真】「新幹線のお医者さん」のドクターイエロー、2020年代後半で引退と考える3つの理由
※筆者が音声でも解説しています。「共同通信Podcast」でお聴き下さい。 【アンディ・バイフォード(ANDY BYFORD)氏】1965年生まれ。イギリス・プリマス出身。公共交通機関の運営を立て直し、鉄道好きでもあることから鉄道ファンらから「TRAIN DADDY(鉄道のパパ)」の愛称で親しまれている。 カナダの最大都市トロントの都市圏で地下鉄や路面電車、路線バスなどを運行するトロント交通局(TTC)の最高経営責任者(CEO)を務めていた2012~17年には「トロントが誇りを持つ交通システム」の実現を標榜。車両更新や、ICカード乗車券「PRESTO(プレスト)」の普及などを進め、17年にTTCの利用者満足度が77%と12年の73%から向上した。TTCは17年にアメリカ公共交通協会(APTA)の最高賞「APTAトランジットシステム・オブ・ザ・イヤー」を受けた。 アメリカ最大都市ニューヨークの地下鉄や路線バスを運行するニューヨーク市交通局の総裁在任中の2018~20年には地下鉄の定時到着率を58%から80%超へ改善させた。ロンドン鉄道交通庁総裁を経て、2023年4月から現職。