JR東海支援のテキサス新幹線、親日アムトラック副社長が明かした「名称案」 車両は「日本メーカーが製造」、単独インタビューで明言 連載『鉄道なにコレ!?』(第65回)
公共交通機関の立て直しで手腕を発揮し、2023年4月にアムトラック上席副社長に就いたバイフォード氏が担当することも機運を盛り上げた。バイフォード氏が今年5月13日、アメリカの首都ワシントンのアムトラック本社でインタビューに応じてくれた。 ▽「早ければ30年代前半」に軌道修正 バイフォード氏はTCPが掲げていたテキサス新幹線の2026年の開業目標は実現不可能なのを認めた上で、早ければ「2030年代前半ならば依然可能性がある」と軌道修正した。早ければ30年代前半に営業運転を始める可能性を言及したのは初めてで、バイフォード氏は「実現に向けたチャンスを最大化させるために戦略を構築していく」と説明した。 バイフォード氏は指揮を執ってきた公共交通機関で運営を立て直すためにタイムラインを策定し、まるでジグソーパズルの欠けたピースをはめるように課題点をクリアしてきた。 テキサス新幹線計画でも課題を地道に解決していく方針で、最大のハードルとなっている資金調達では「連邦政府と民間企業、外国からの投資なくして前進するとは思えない」と官民双方が幅広く出資を受けることを目指すと表明した。
地元のテキサス州は公共交通機関の整備に消極的な共和党が優勢だが、バイフォード氏はダラス、ヒューストン両市からも「非常に強い政治的支援を受けている」と言及。「時間とともにいくらかの財政支援に発展する可能性もある」と期待を示した。 ▽新幹線導入で「日本と同等の信頼性と安全性」 また、バイフォード氏は実現性を高めるためには「きちんと機能する商品を買うことが重要だ」とし、その方法として「日本の(新幹線)技術を採用する」と明言した。日本の新幹線は「輝かしい信頼性と安全運行の実績を持っている」と評価し、テキサス新幹線にも導入することで「日本と同等の信頼性と安全性を確実にする」と訴えた。 使うN700Sをベースとした車両は「当初は日本で造られると思うが、その後は雇用を創出するためにアメリカでの生産に移行することを望んでいる」と説明。テキサス新幹線計画への支援企業には新幹線車両を造ってきた日立製作所も名を連ねているが、発注するメーカーは「現時点ではコメントできない」と話すにとどめた。